...)どんな猟角笛よりも野趣があって諧調のうつくしいひとふしをそれで吹きならすのをつねとした男をよくおぼえている...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...百合よりも野趣がある...
種田山頭火 「其中日記」
...所謂『男踊り』の鰌掬ひは写実の儘で如何にも野趣に満ちてゐる」と...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...この方がのんびりして野趣がある...
寺田寅彦 「高原」
...食膳に野趣を添えるには充分だ...
豊島与志雄 「田園の幻」
...見ずや彼の描ける吉原には何(なん)となく宿場らしき野趣を蔵する所なからずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...出入(ではいり)する客の野趣を帯びた様子などに...
永井荷風 「西瓜」
...この野趣あるがゆゑであつた...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...友人は僕を顧(かえり)みて野趣があると笑いました...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...一脈の野趣と言はうか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...黄色の小瓣の可憐な野趣を帯び...
原民喜 「夏の花」
...どこか野趣をおびた...
久生十蘭 「無月物語」
...風景でも大ざっぱで野趣のある関東から来た人は...
宮本百合子 「京都人の生活」
...当時のお茶の水には多少の野趣があつたらしい...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...灰均(はいならし)などの野鍛冶(のかじ)の技で野趣あるものを見かけます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...いつもの野趣の風がない...
吉川英治 「江戸三国志」
...それに笛やササラの音(ね)がからむ気だるい野趣(やしゅ)をおびた民楽(みんがく)だが...
吉川英治 「私本太平記」
...寺の小さい門や白い壁やその上からのぞいている松の木などの野趣に充ちた風情(ふぜい)をながめた時に...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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