...別な権威を信じる野性的な人々である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼女の文学的才能と彼女の野性的な美しさに牽きつけられたからであった...
辻潤 「ふもれすく」
...この変わった性質というのは、野性的な、夢中になるほどの羞恥心(しゅうちしん)と潔癖とであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...どこかのびやかな而も野性的な気味が滞っていた...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...自由に戸外をもかけ廻る野性的な日本種がいい...
豊島与志雄 「猫性」
...この馴致されない野性的な深い何物かの上に建設されるところにある...
豊島与志雄 「猫性」
...新時代人の野性的な交際や論議である...
豊島与志雄 「風俗時評」
...野性的な歓楽へと陥(お)ち込んで行ったのもまた無理のないことでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...人を恐れぬ野性的な眼差(まなざし)も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それにその野性的な顏に漲(みなぎ)る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平民組の子供の野性的な氣風にこがれてゐた...
萩原朔太郎 「非論理的性格の悲哀」
...どんな感情も心にしまつてはおけないゆき子の野性的な性格が...
林芙美子 「浮雲」
...野性的な美しさがその中にあるのでした...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...小賢しさを知らぬ野性的な豪快さなどもあつて...
牧野信一 「浪曼的月評」
...けれども不思議なことに、最も野性的な、最も微かな鈍痛を伴つて、どこからともなく私に憎悪が襲ひかかつてきた...
三好達治 「測量船拾遺」
...成る程これならば嫌疑の掛かるのも無理はないと考えられそうな野性的な...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...野性的な生命力を...
吉川英治 「随筆 新平家」
...凡(およ)そ浮かれ男の眼にはそれがアラビア海のマラバル岬に鮮かな赤更紗の虹がうき出たように濃い色彩を着けたことは勿論だがまた彼女が短いスカートから現した近代的な武装を解除した両脚にはいた棕櫚(しゅろ)の葉で作ったような靴下の野性的な蠱惑(こわく)の中から浮かれ男の思いもよらぬ数々の女の生命が幻燈のように現れてくるのだ...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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