...わたしは善におとらず野性的なものを愛するのだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...たぶんここで聞かれるいちばん野性的な音である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...それには洗練された都会育ちの下町娘よりも熊襲の血脈をひいている九州の野性的な女の方が遙かに好適であった...
辻潤 「ふもれすく」
...そして家でおとなしく飲んでいられないような野性的な彼の卑しい飲み癖が...
徳田秋声 「あらくれ」
...この変わった性質というのは、野性的な、夢中になるほどの羞恥心(しゅうちしん)と潔癖とであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ほとんど野性的なくらいに有頂天になって...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...野性的な優美さをもってるその美しい身体は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自由に戸外をもかけ廻る野性的な日本種がいい...
豊島与志雄 「猫性」
...新時代人の野性的な交際や論議である...
豊島与志雄 「風俗時評」
...なにかしら野性的な強健さが彼にはあったのだ...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...野性的な歓楽へと陥(お)ち込んで行ったのもまた無理のないことでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...それは我の強さうな野性的な男で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どんな感情も心にしまつてはおけないゆき子の野性的な性格が...
林芙美子 「浮雲」
...まだ十九で非常に野性的な女だつたのださうだ...
林芙美子 「秋果」
...くりくりとした大きな眼は田舎の児らしく野性的な激しさが輝いてゐた...
北條民雄 「続癩院記録」
...けれども不思議なことに、最も野性的な、最も微かな鈍痛を伴つて、どこからともなく私に憎悪が襲ひかかつてきた...
三好達治 「測量船拾遺」
...野性的な生命力を...
吉川英治 「随筆 新平家」
...凡(およ)そ浮かれ男の眼にはそれがアラビア海のマラバル岬に鮮かな赤更紗の虹がうき出たように濃い色彩を着けたことは勿論だがまた彼女が短いスカートから現した近代的な武装を解除した両脚にはいた棕櫚(しゅろ)の葉で作ったような靴下の野性的な蠱惑(こわく)の中から浮かれ男の思いもよらぬ数々の女の生命が幻燈のように現れてくるのだ...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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