...「なんにもいただけないんでしょうね」「ソップと重湯(おもゆ)だけですが両方ともよく食べなさいます」「ひもじがっておりますか」「いゝえそんなでも」もう許せないと葉子は思い入って腹を立てた...
有島武郎 「或る女」
...漸く重湯に口をつけたが茶碗に半分許りで止めた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...唯牛乳や重湯などを今日は昨日程に飮まなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...お春が次の間の電気火鉢(ひばち)で重湯(おもゆ)を煮ている時であった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お春が煮かけていた重湯の土鍋(どなべ)をおろして銀瓶(ぎんびん)を掛け...
谷崎潤一郎 「細雪」
...重湯を持って行かせた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...重湯に御飯粒がいくつか浮いてるのを...
豊島与志雄 「夢の図」
...念仏三昧の重湯で生死を離れるのであると云うことを悟って...
中里介山 「法然行伝」
...「重湯(おもゆ)でも少し飲んだら好(い)いでしょう...
夏目漱石 「道草」
...重湯でそだてることさへも大変な手数であるところへ...
林芙美子 「幸福の彼方」
...まだ重湯が通るぐらいなので...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その時一番食べたかったのは日本の重湯とおかゆに梅干...
三浦環 「お蝶夫人」
...スープと重湯を時間をきめてたべさせるさしずに主婦は常よりも余程いそがしいらしかった...
宮本百合子 「黒馬車」
...重湯に御飯粒を入れたり仕がちであった...
宮本百合子 「黒馬車」
...恐らく米粒もないような重湯であったかと思われる...
柳田国男 「故郷七十年」
...重湯の濃いのをやってくれ」「夕飯をいかがですか」と治兵衛が云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...重湯を作るからと云って...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...あとは重湯や水飴(みずあめ)を与えるのだが...
山本周五郎 「日本婦道記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??