...其人の生活には必ず人生の至醇なる味に接觸し得ざる一味の空虚があるに違ひない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...寧ろ人間の清醇なる本性に基く藝術感であるからである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この衝動の醇化(じゅんか)された表現が芸術だといった...
有島武郎 「想片」
...そこにおいて長老たちから芳醇(ほうじゅん)なる葡萄酒が供せられ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...これとして醇粋(じゅんすい)な物とは云えないが...
田中貢太郎 「『黒影集』の序詞」
...吾人は明治二十六世紀((ママ))の風潮の為に若干か化醇(モヂフアイ)せられたる忠孝及び家系問題を見んことを欲するにあらざるか...
綱島梁川 「国民性と文学」
...而して此(か)かる特質(理想)は今や甚(はなはだ)しき化醇の途次にありて未(いま)だ劃然たる定質を鋳成するに至らざるにはあらざるか...
綱島梁川 「国民性と文学」
...松陰はもとより醇乎(じゅんこ)として醇なる志士の典型...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...何をか彼れの大醇と謂ふや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...手づから醸造された世にも豊醇な酒をふくみながら...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...それだけ自然さや醇朴さをも保ったところもあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...山陽の子は三男復(ふく)と此醇とが人と成つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...左其弟三木三郎醇(じゆん)が並んで歩いた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...かかる素朴な醇乎(じゅんこ)たる美を生んでいる大きな基礎だということを...
柳宗悦 「多々良の雑器」
...こういう所が何か醇乎たるものが...
柳宗悦 「多々良の雑器」
...唯だ益々それが動物的の親性から人間的の親性へ醇化(じゅんか)されて行くばかりです...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...また当時の世界全体に於てどこにも比類を見出し難いほど醇美なものである...
和辻哲郎 「鎖国」
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