...はた目には酸鼻(さんび)だとさえ思わせるような肉欲の腐敗の末遠く...
有島武郎 「或る女」
...とにかく酸鼻の極でありました...
太宰治 「知らない人」
...酸鼻の跡まつたく無し...
太宰治 「先生三人」
...)の酸鼻戦懐の状を聞き...
太宰治 「津軽」
...紅く染まった屍体! 負傷者の呻(うめ)き! 艦内は酸鼻言語に絶した...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...地上に累々たる酸鼻には堪えられたものでない...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは嘗て酸鼻と醜怪をきはめた虚無の拡がりの中に...
原民喜 「火の踵」
...その予想外に酸鼻(さんび)な場面と...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...酸鼻という感じがいたします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...南鮮北鮮のやうな酸鼻が起らないのは...
吉川英治 「折々の記」
...揉(も)み戦った酸鼻(さんび)は分る...
吉川英治 「剣の四君子」
...酸鼻、いうばかりもない...
吉川英治 「三国志」
...無残、ここかしこである、酸鼻な状も、言いようがない...
吉川英治 「私本太平記」
...それは酸鼻(さんび)をきわめている...
吉川英治 「私本太平記」
...あまりに酸鼻(さんび)もはなはだしい...
吉川英治 「私本太平記」
...あきらかにこれは戦(いくさ)の酸鼻(さんび)であった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...酸鼻だったのであるまいか...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...骨肉相戦うの酸鼻を演じた保元...
吉川英治 「随筆 新平家」
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