...「酸鼻(さんび)」と云ふ言葉も感覚的に決して誇張でないことを発見した...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...はた目には酸鼻(さんび)だとさえ思わせるような肉欲の腐敗の末遠く...
有島武郎 「或る女」
...豊臣(とよとみ)氏の末路(まつろ)のごとき人をして酸鼻(さんび)に堪(た)えざらしむるものあり...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...酸鼻(さんび)を極(きわ)めた街頭が...
海野十三 「空襲葬送曲」
...酸鼻の跡まつたく無し...
太宰治 「先生三人」
...)の酸鼻戦懐の状を聞き...
太宰治 「津軽」
...いつとはなしに自滅する酸鼻(さんび)の谷なのではあるまいか...
太宰治 「八十八夜」
...地上に累々たる酸鼻には堪えられたものでない...
中里介山 「大菩薩峠」
...実にこれ酸鼻(さんび)の極み...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...南鮮北鮮のやうな酸鼻が起らないのは...
吉川英治 「折々の記」
...揉(も)み戦った酸鼻(さんび)は分る...
吉川英治 「剣の四君子」
...蜀兵の焼け死ぬこと酸鼻を極めた...
吉川英治 「三国志」
...そこもほとんど全滅的な酸鼻(さんび)だった...
吉川英治 「私本太平記」
...あまりに酸鼻(さんび)もはなはだしい...
吉川英治 「私本太平記」
...この酸鼻(さんび)な戦場の地獄(じごく)へ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...砦(とりで)はゆうべの酸鼻(さんび)な空気をおどませて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――またもその酸鼻(さんび)な殺戮(さつりく)が...
吉川英治 「新書太閤記」
...あきらかにこれは戦(いくさ)の酸鼻(さんび)であった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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