...張った顎(あご)のあたりが何か酷薄な感じで宇治に迫って来た...
梅崎春生 「日の果て」
...逃がしたサラゴッサの市民は酷薄な復讐を受けなければならなかった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...印度人は英国の虐政に泣きつつ一方においては自分らの仲間の賤民(ハリジャン)階級三千万にどれほどの酷薄な待遇を与えているかということ...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...残忍酷薄な男でもなかった...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
......
辻潤 「「享楽座」のぷろろぐ」
...それは刑罰がそれを受けたる者を投ずる社会的の酷薄なる夜である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...各瞬間は酷薄な埋葬者となる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...また文化運動の酷薄な困難さと戦いはじめたのであった...
中井正一 「地方文化運動報告」
...真の残忍酷薄なる純美主義の芸術である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...何ともいえぬ酷薄な徴笑を泛べながら...
久生十蘭 「魔都」
...妻や子供らに酷薄な所業をしたが...
久生十蘭 「無月物語」
...この酷薄な報復手段を採(と)らしめたに相違あるまい...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...然(しか)しその眼元はあの無垢(むく)な光を失って一種鋭どい酷薄な光りを帯び柔(やさ)しく綻(ほころ)びかかった花の莟(つぼみ)のようであった唇の辺りには...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...生まキズよりも酷薄な影を持つていた...
三好十郎 「肌の匂い」
...こういう酷薄なまねはできないだろう...
山本周五郎 「失蝶記」
...如何なる残忍酷薄な奴でもその鼻の表現に...
夢野久作 「鼻の表現」
...外界の酷薄な圧迫を細々ながらこの全身の支柱に堪えて行こう...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...その妾(しょう)を奪ったりなど――残忍酷薄な数々の経歴は...
吉川英治 「新書太閤記」
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