...英吉利(イギリス)語を教える報酬(ほうしゅう)は僅かに月額六十円である...
芥川龍之介 「十円札」
...そして少女が若しあなたの愛に酬(むく)いるならば...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...歯には歯を以て酬いよ...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
...常に一矢を酬ゆるの秋(とき)を待っていた...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...死者に對する酬なり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...以て夜会の酬接に用ゆ可く大隈伯の辞令は機鉾鏃々として応答太だ儁...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...追々にわが身に酬(むく)って来るのではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...己の浮気に夫が当然浮気を以て酬いるであろうことを極度に恐れたのである...
中島敦 「南島譚」
...二千円の研究費となって酬いられたからである...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...此時ほど酬(むく)いられた仕事をした事は無かったような気がしました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...必ず讐(あだ)を酬(むく)ゆる……尾籠(びろう)ながら...
二葉亭四迷 「浮雲」
...労働の報酬が現在極めて潤沢なアメリカでは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...器用にはぐらかすことも口で賑やかに応酬することも出来ず...
「小祝の一家」
...「死んだ大納言の遺言を苦労して実行した未亡人への酬(むく)いは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...己に侮辱せられた報酬である...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...なにも酬われることなしに...
山本周五郎 「花も刀も」
...放蕩無頼の酬い、又は売国奴相当の末期とは申せ、一切の同情と庇護とを受くる資格を喪失すると同時に、拳銃(ピストル)と、麻縄と、毒薬と、短剣とに取り囲まれて遁(のが)るる途(みち)もなくなっておりながら、僅に残る未練から、せめて妻子だけは無事に生き残らせて、日本人らしい一生を送らせたいばかりに、かような苦しい手段を以て、極秘密の裡(うち)にこの遺書を貴下に呈上する事の止むを得ざるに立ち至りました...
夢野久作 「暗黒公使」
...市会議事堂のコンクリートを噛(かじ)り過ぎた酬(むく)いで...
夢野久作 「超人鬚野博士」
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