...泣き顔をして恐る恐る足をのばす時はほんとに邪気のない時だ...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...邪気のない親方の軽口で不快な監獄の面会所だ等と云ふことは忘れたやうにニコ/\してゐた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...邪気のない男だった...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...邪気のないすなおな涙を流しながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...なにか駄々っ児らしいそして邪気のないものだった...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...邪気のない生徒程...
中原中也 「校長」
...尤も娑婆気(しやばけ)を離れた邪気のない事である...
夏目漱石 「艇長の遺書と中佐の詩」
...僕はいつの間にか昔と同じように美くしい素直な邪気のない千代子を眼の前に見る気がし出した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...万事(ばんじ)邪気のないような好い動物である...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...手をひろげている邪気のない子供らには...
本庄陸男 「石狩川」
...邪気のないふりでいう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...邪気のないものとしてお許しになってお世話をおやきください...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...坦々とした波瀾のないもの、企らみのないもの、邪気のないもの、素直なもの、自然なもの、無心なもの、奢(おご)らないもの、誇らないもの、それが美しくなくして何であろうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...八重歯の出る邪気のない顔で笑った...
山本周五郎 「おばな沢」
...静かな邪気のない顔で笑う...
山本周五郎 「おばな沢」
...伊兵衛の邪気のない童子のようにあけっ放しなようすを見ると...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...邪気のない高鼾(たかいびき)をかいて...
吉川英治 「江戸三国志」
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