...唯(ただ)偏狭なる自分が衷心から其(その)雅量に感謝する事の出来ないのは、遺憾である...
芥川龍之介 「羅生門の後に」
...今は一々(いちいち)記臆(きおく)に存していないのが甚(はなは)だ遺憾である...
岩村透 「不吉の音と学士会院の鐘」
...生憎手許にないのは遺憾である...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...今一万以上の学生が集っているのに大なる講堂をもたぬというは実に遺憾である...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...具体的に言うことができないのは遺憾であるが...
寺田寅彦 「自由画稿」
...それとも日本にはない豆だか分らないのが遺憾である...
寺田寅彦 「ピタゴラスと豆」
...社会からの正当な庇護を妨げていることは遺憾である...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...續いてアーヘンにスタルク(スタルク效果の發見者)を訪ね その輻射則に關する意見を叩けば ラザフオードと表裏し「プランクの法則にはその恒數 h あり 光の速度あり ボルツマン恒數ありで 獨り万有引力恒數が缺けているのは遺憾である...
長岡半太郎 「プランク先生の憶い出」
...然しお秋さんと言葉を交して別れなかつたことはどうしても遺憾である...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...武装した兇徒に捕禁されたという事実を一般に知らしめることははなはだ遺憾であるばかりでなく...
久生十蘭 「魔都」
...また同人雑誌に及べなかつたのも遺憾である...
牧野信一 「月評」
...この『啓蒙』にはこんな誤謬が書中いたるところに見出さるるのは遺憾である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...誰に聞いても持つて居る人がないのは遺憾である...
正岡子規 「病牀六尺」
...さうなるための努力があまりなされてゐないのは遺憾である...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...甚(はなは)だ遺憾である...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...どういう用向きで二人の子をひきつれて外出したかが記事の中に語られていないのは遺憾である...
宮本百合子 「石を投ぐるもの」
...絵にかいて残すことのできないのが遺憾である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...千秋の遺憾である...
夢野久作 「近世快人伝」
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