...それはもう少し先に適当な時機を見計らって知らせるほうがいいという葉子の意見だった...
有島武郎 「或る女」
...適当な温度に保ってこれを続けたものですから...
海野十三 「爬虫館事件」
...最も適当な所にあれば...
大隈重信 「勢力の中心を議会に移すべし」
...それらは決してその問題を取り上げてゆくのに適当な形の文芸という事は出来ない...
高浜虚子 「俳句への道」
...叱られて怖々(おじおじ)している子供といった方が適当なくらいで...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...たとえ小粒でも適当な形に加工彫琢(ちょうたく)したものは燦然(さんぜん)として遠くからでも「視(み)える」のである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...そうして場合に応じて適当なる楽器編成を行なったのではないかと想像されるのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...決して適当なる答弁を得ることあたわざるべし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...実験の方が「適当な設備装置さえ整い得るならば随時に行なわれ得る」のを普通とすると考えられているに反して...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...十町ばかり離れた所に場所を選定し――他に適当な場所が見当らなかったので...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...わが病を介抱せしむるには適当ならむと...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...侮(あなどり)に対する適当な言葉は怒(いかり)である...
夏目漱石 「虞美人草」
...罪のないKは穴だらけというよりむしろ明け放しと評するのが適当なくらいに無用心でした...
夏目漱石 「こころ」
...なにしろ適当な日本人を一人大学に入れるのが急務だと言い出す...
夏目漱石 「三四郎」
...自分を待ち受けているこの種の迫害にはたいへん適当な材料となっていたのであった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...そこはちょっと適当な形容を思いつかぬが...
山本周五郎 「似而非物語」
...適当な温度と湿気を含んで...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...この会ほど安全で適当なものは他にあるまいことを信じて疑いませぬ次第であります...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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