...三谷は倭文子の身の上を気遣う余り...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...隔絶している人の安否を気遣うのが...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...他人の思惑を気遣うていては...
丘浅次郎 「改善は頭から」
...その夜から自分の一顰(いっぴん)一笑にさえ気を遣うようになりました...
太宰治 「人間失格」
...やたらに自分に敬語を遣うようになりました...
太宰治 「人間失格」
...こう云う些末な衣食住の趣味について彼れ此れと気を遣うのは贅沢である...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...俺が道楽に銭を遣うことに就いて言っているのだろう...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...少しも気を遣うことなく...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...相手と同じ言葉を遣う事にしているからである...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...山へ来て黄金を取って都へ出て遣うんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...母上は妾の将来を気遣う余り...
福田英子 「妾の半生涯」
...それに対して「お名前」だの「お君殿」だのという言葉を遣うわけはない...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...無駄な金を遣うなど...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...声色(こわいろ)を遣う...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...おまけに高田屋は金も遣うし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...こんなことなら少しぐらい金を遣うほうが手っ取り早く片がつくんですから...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...そう気遣うには及ばん」「きょうは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...学校の方で調べた処によりますと、夜寄宿舎を抜け出たり、あるいは数週間も学校に帰らないで、家事上の都合で家(うち)に帰っていたなどと言訳をしていたそうでございます』『何をしあるいていたんのでしょう』『遊びあるいていたのです、競馬場へ入ったり、珈琲店(カッフェ)や舞踏場(おどりごや)へ入り浸っていたのです』『そんなに金を持っていたのですか?』『ええ』『だれから貰っていたのです?』『ある一人の悪漢が、親に内緒で金を貢いで、学校を抜け出させて、段々と堕落させる様に仕向け、嘘を吐くこと、金を遣うこと、盗みをすることなどを教わったのでございます』『それはドーブレクですか?』『そうです』クリラス・メルジイはしばし面(おもて)を両手に伏せて暗然としていたが、また語(ことば)を続けて、『ドーブレクが復讐をしたのです...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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