...」お常はそれでも娘に遠慮して――そうしなければいられないものを彼女は持っていた――一歩そこから膝で後退した...
犬田卯 「米」
...かの女の多少は遠慮してゐるらしい聲が...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...遠慮していれば、いつまでたっても、奥へ通れない...
海野十三 「のろのろ砲弾の驚異」
...実は遠慮していたんだよ」「そう? じゃ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...私は病室から遠慮して...
外村繁 「落日の光景」
...」と、いったが、そのまま、遠慮して、暫く、二人で、眼を見合せていた...
直木三十五 「ロボットとベッドの重量」
...なるべく遠慮して...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠慮して気永に待ち過ぎたという罪を犯しただけだ...
中島敦 「光と風と夢」
...今日(きょう)までわざと遠慮していたのである...
夏目漱石 「門」
...遠慮して暗い方に腰を掛けて休んでゐるのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...表口から入るのを遠慮して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暫らくは遠慮して居る樣子で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ことに彼さえもまだ遠慮していたのに...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...父は私を家庭に置くことさへ後妻に遠慮して私を仕立屋の叔母の家へ弟子入りさせたりした...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...「今日の会に私がいささかでも音を混ぜますようなだいそれた自信は持っておりません」大将は遠慮してこう言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...遠慮しているとかいうところがなく...
室生犀星 「芥川の原稿」
...向うが遠慮して声をかけてくれない...
柳田国男 「故郷七十年」
...ご遠慮していたが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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