...義雄もそれを少し遠慮して...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ジュリアの身体より遠くの方に遠慮していた雁金検事と大江山捜査課長とは...
海野十三 「恐怖の口笛」
...ついでに今まで遠慮していたあちこちの集会へも顔を出して見たかった...
大杉栄 「日本脱出記」
...遠慮して誘はざりき...
大町桂月 「沖の小島」
...勉強の邪魔をしてはと遠慮してましてな」私は浅草に住んでいる朝野を...
高見順 「如何なる星の下に」
...かへつて遠慮しておれに近寄らない...
太宰治 「お伽草紙」
...遠慮していたのだ...
太宰治 「女生徒」
...「なにを買ってくれ」というのも遠慮していたのが...
田中英光 「野狐」
...幸子は見送りに行くべきだけれども、自分が行けば尚更(なおさら)姉ちゃんが泣き出したりして見っともない光景を演じるであろうからと、わざと遠慮して、貞之助が一人で行ったが、待合室には早くから受付が出、百人近くも集った見送り人の中には先代の恩顧を受けた芸人、新町や北の新地の女将や老妓(ろうぎ)も交っていたりして、さすがに昔日の威勢はなくとも、旧(ふる)い家柄を誇る一家が故郷の土地を引き払うだけのものはあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あたし等(ら)に遠慮しているのかどうか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...長座は悪いだろうと思って遠慮してすぐに帰って来た...
寺田寅彦 「B教授の死」
...二人とも何やら互(たがい)に遠慮して...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...言い出したいけれども恥を掻くといけないと思って遠慮していたものが多いのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...なるべく遠慮して...
中里介山 「大菩薩峠」
...あたりに遠慮して声を殺して云つた...
牧野信一 「毒気」
...小山が少しく遠慮して「イヤモーお構い下さるな...
村井弦斎 「食道楽」
...遠慮しているとかいうところがなく...
室生犀星 「芥川の原稿」
...甚だ遠慮して申し上げたつもりなのです...
吉川英治 「三国志」
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