...今日迄は郡視學の手前遠慮して居たかも知れない...
石川啄木 「雲は天才である」
...やたらに遠慮して小さくかしこまり...
太宰治 「お伽草紙」
...また、眼鏡をかけている助手さんは、出目金(でめきん)とでもいうようなところなのに、遠慮して、キントト...
太宰治 「パンドラの匣」
...私という不意の新しい来客(きゃく)があったためにどこかでしばらく遠慮していたらしい気色(けはい)であった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...そして遠慮してゐたのだが...
種田山頭火 「其中日記」
...あなたが遠慮してるのは...
豊島与志雄 「波多野邸」
...遠慮して、芸を中止して、このお通りになるものをお通し申して、それから再び芸を始めるのかと思うと、そうでもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠慮して裏から帰ったのだと百代子から聞いた時...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...思う事も遠慮していわなかったとするならば...
新渡戸稲造 「ソクラテス」
...遠慮して誰も捕まえなかったと言うんだろう」「え」「それをお前は捕まえた...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...最初のうちはお互に遠慮してコソコソやって居りましたが...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...注意は一切遠慮してゐるのだが...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...毎年夏には一度は二郎と一処に旅行をするのが慣ひだつたが父が死んで以来ずつと遠慮してゐたので...
牧野信一 「毒気」
...あまり近くいることを遠慮して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...前科者の怯目(ひがめ)を自分から遠慮してかかっているのか?」いつまでもいつまでも硝子扉の蔭から...
山下利三郎 「流転」
...「なにを遠慮しているんだ...
山本周五郎 「新潮記」
...それから女どもを遠慮してもらって...
夢野久作 「焦点を合せる」
...女は男のように自己を発揮して作を致す事を遠慮している所から女の見た真の世相や真の女が出て参りません...
与謝野晶子 「産屋物語」
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