...世の中がひとりでに遠のくように思えた...
有島武郎 「或る女」
...立(た)ち竦(すく)みでもしたかのように彼女から遠のくことが出来なくなるだろう...
海野十三 「振動魔」
...トントンと遠のくように思いましたが...
海野十三 「赤外線男」
...川の岸に並び立っている倉庫は、つぎつぎに私を見送り、やがて遠のく...
太宰治 「佐渡」
...今日は何ごとかの」庄谷は自分よりは高い相手から見下されるのを避けるやうに少し遠のくと...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...一本松の村はななめうしろに遠のく...
壺井栄 「二十四の瞳」
...250ペーレーデース其時に遠のく距離は...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それでクリストフが遠のくのを見てぎくりとした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...みよ子から遠のくにつれて...
豊島与志雄 「幻の園」
...なるべく遠のくように心がけていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...恋々(れんれん)と遠のく後(あと)を追うて...
夏目漱石 「虞美人草」
...自然遠のくだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...カーテンに影がうつっては、また、ついと遠のく...
久生十蘭 「あなたも私も」
...それ故華美な世界からは遠のくのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...参木はいつ秋蘭の足音が遠のくかと耳を聳(そばだ)てている自身に気がつくと...
横光利一 「上海」
...足が遠のくやうになつてしまつた...
吉井勇 「青春回顧」
...鷲はいっさんに裾野(すその)をさしてななめに遠のく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そばで見れば粗雑に裏までくり抜いた空洞の穴に過ぎないのであるが遠のけば遠のくほどその粗雑さが見えなくなり...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
便利!手書き漢字入力検索