...現(うつ)つ世には見も及ばず聴きもなれざる遠い昔の歴史の世界――全く恍惚(こうこつ)の境に引きいれられまして...
上村松園 「「草紙洗」を描いて」
...○昨日の出来事が遠い昔の夢のやうな!街のポストまでちよつと出掛ける...
種田山頭火 「其中日記」
...「遠い昔だなア――」かう思ひあつめたやうにしてかれは考へた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...かれに取つてはもう遠い昔だ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...遠い昔から一つの民族として生活して来たので...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...それにもかかわらずそれを見る人の心は遠い昔に起こったある何かしらかなり深刻な事件のかすかな反響のようなものを感ずる...
寺田寅彦 「田園雑感」
...今一度遠い昔の世をふり返ってみるような心地で...
豊島与志雄 「恩人」
...祖父たちの家での遠い昔のことで...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...遠い昔の戦勝の交響曲のように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...遠い昔の、あの懐かしい探検時代に、もどった気がするからだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...もう遠い昔の話である...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...日本は、この遠い昔から、兄弟が殺しあったり、相続争いをやっていたのである...
蜷川新 「天皇」
...遠い昔の思い出のようにこころに来て...
林不忘 「あの顔」
...まだそんなに遠い昔のことでもないから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...幾代とない遠い昔からそう躾(しつ)けられ...
本庄陸男 「石狩川」
...最早三筋町の近親の家も遠い昔に人手に渡され...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...しかも西暦紀元前九百五十年より八十六万七千百二年の間にあったという遠い昔のラーマーヤナ事件を...
南方熊楠 「十二支考」
...わけを訊いてみると、彼は、ゆうべの神楽の音が気になって、起きるとすぐ、此家(ここ)の老百姓に聞いてみたところ、ここから近い阿佐(あさ)ヶ谷(や)村には、遠い昔から、阿佐ヶ谷神楽といって、旧い神楽師(かぐらし)の家があり、毎月、三峰神社の月祭りには、そこの家で調べを奏(あわ)せて、秩父へ出張(でば)ってゆくので、それが聞えて来たのだろうという説明だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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