...……村方の人らしい、鳴きながらの蛙よりは、泥鼈を抱いて居さうな、雫の垂る、雨蓑を深く着た、蓑だといつて、すぐに笠とは限らない、古帽子だか手拭だか煤けですつぱりと頭を包んだから目鼻も分らず、雨脚は濁らぬが古ぼけた形で一濡れになつて顯はれたのが、――道巾は狹い、身近な女二人に擦違はうとして、ぎよツとしたやうに退ると立直つて提灯を持直した...
泉鏡花 「遺稿」
...……村方の人らしい、鳴きながらの蛙よりは、泥鼈(すっぽん)を抱いていそうな、雫(しずく)の垂る、雨蓑を深く着た、蓑だといって、すぐに笠とは限らない、古帽子だか手拭だか煤けですっぱりと頭を包んだから目鼻も分らず、雨脚は濁らぬが古ぼけた形で一濡れになって顕(あら)われたのが、――道巾は狭い、身近な女二人に擦違おうとして、ぎょッとしたように退(すさ)ると立直って提灯を持直(もちなお)した...
泉鏡花 「遺稿」
...道巾が取りひろげられなかつた頃...
上村松園 「思ひ出」
...一層道巾(みちはば)が狭くなった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...道巾の広い通りには野道のように草が生えていた...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...せまい道巾(みちはば)のところへいったら...
長谷川時雨 「流れた唾き」
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