...遅くとった夏休みに...
石川欣一 「山を思う」
...『馬鹿に遅いから来ないのかと思つて居た...
石川啄木 「菊池君」
...蠅男の手に懸って、細首を絞められてしまったかと思ったが、そのとき遅く、かのとき早く、「――蠅男、そこ動くなッ」と、突然大音声があがったと思う途端(とたん)、寝台の陰からとび出して来た一個の人物! それは誰であったろうか? 警察の豚箱に監禁せられて熟柿(じゅくし)のような息をふいているとばかり思っていた青年探偵、帆村荘六の勇気凜々(りんりん)たる姿だった...
海野十三 「蠅男」
...時には遅れ、時には先んず...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...われわれが早く旅するにもせよ遅く旅するにもせよ軌道はわれわれのために敷かれている...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...「僕が貰って往っても好いのですよ、遅いし、雨も降ってますから」「なに、よろしゅうございます、すぐお届けいたします」女房は余計な口さえ出さなければ、書生さんに持って往ってもらうのに、と、夫の贅言(ぜいげん)が小面憎(こづらにく)かった...
田中貢太郎 「黄燈」
...いつもより遅く家を出る...
外村繁 「落日の光景」
...「どうもたいへん遅くなってしまいました」お絹の髪も衣裳もかなり崩れている...
中里介山 「大菩薩峠」
...ガラッ八よりは四半刻近くも遅れました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四日ほど遅らせて...
林芙美子 「浮雲」
...手遅れにならないうちに約束を果たします...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...オデロン劇場に着く頃は遅くなっていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...」「あまり気にする質でもないのに……だけど夜遅く酔つて帰るのはお止めなさいね...
牧野信一 「秋・二日の話」
...カムパネルラが「みんなはねずいぶん走ったけれども遅(おく)れてしまったよ...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...句対名家成転遅」は印南に対する謙語であらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ザルツブルヒに着いたのは午後遅くなってからであった...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...未だに遅々としている銀三に較べて...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...引くも遅し! 横一文字に相手の剣! あッと思いつつ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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