...逸早く窓外に展開された凄じい光景を見てとつた若い女性は...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...蝉がそこらの麦畑の黄熟を逸早く知らせるもので...
薄田泣菫 「独楽園」
...逸早く閑人(ひまじん)の耳につくものだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...そうするとその時に京都の高等学校からベース・ボールのために来て一高に宿しておった学生が逸早く駈けつけて私の教室にきて見た...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...その二人は逸早く苦力(くーりー)に鞄をかつがせて...
田山録弥 「アカシヤの花」
...逸早くも反河上派に...
戸坂潤 「社会時評」
...彼等が逸早く吸収した社会科学的知識にも拘らず...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...その前に逸早く会費を掻き集めるつもりだったのだが...
久生十蘭 「魔都」
...この方は逸早く風を喰って逃走しましたが...
久生十蘭 「魔都」
...昔後水尾帝の御代に始めて朝鮮から渡り来ったといわれる彼の蝋梅(ろうばい)でしたところが逸早く咲く花を着け一月には已に発(ひ)らき初める...
牧野富太郎 「植物記」
...その話は逸早く一九が六阿彌陀詣の中に取入れて居ります...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...逸早くこの事件を嗅付けて来た新聞記者一名を乗せた自動艇(モーターボート)が...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...妻女山に謙信が陣したのも、逸早く、前進拠点として、地の利に拠ったものであるし、信玄が、平地から陣を払って、海津の城へはいったのも、「素裸の地に長陣(ながじん)は危ない」と、考えたからにちがいない...
吉川英治 「上杉謙信」
...逸早く、むすめは子を負い、むすめの良人は老禰宜を扶(たす)けて、どこかへ避難したにちがいないと察したからである...
吉川英治 「上杉謙信」
...おりんは逸早く月江の手をとり...
吉川英治 「江戸三国志」
...ひとりは逸早く手ぬぐいを取って猿轡(ぐつわ)をかける...
吉川英治 「江戸三国志」
...新九郎は逸早く吉祥房の胸元へ...
吉川英治 「剣難女難」
...逸早く偵知(ていち)した羽柴方の大物見が...
吉川英治 「新書太閤記」
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