...蟹を始め同志のものはどう云う運命に逢着(ほうちゃく)したか...
芥川龍之介 「猿蟹合戦」
...到る處に自己に類似して而も自己を凌駕する思想と生活とに逢着するが故に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...先人及び今人の經驗に逢着して「此處だな」と膝を打つ場合がある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...茲に於いて我等は奉仕と服從との分岐點に逢着するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...あまつさえもしもこちらより向こうのほうが強い場合には物理学的困難にまで逢着しなければならぬ不便があるため...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...現形し来たるこの大問題に逢着(ほうちゃく)するは数の明らかなるところであるから...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...私はまた第三の事実に逢着したのであります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...之に反して以上のように他の概念に帰する見方を全く離れて自立的な終局的な意味がこの目的概念に求められるかどうかを見る時吾々は全く別の事柄に逢着する...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...思惟は幾何学に於て思惟ならぬ或るものに逢着することが明らかとなった...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...主観を実践的たらしめるためにはこの物質が最後の逢着物としてそこになければならないのである...
戸坂潤 「辞典」
...まさしく雲助の選定を蒙(こうむ)ってぶったくられの運命に逢着したものと見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...ふとした事から大事(だいじ)を窮明(きゅうめい)せんならん因縁(いんねん)に逢着(ほうちゃく)して――今によい智識(ちしき)になるようじゃ」静かな庭に...
夏目漱石 「草枕」
...石火の一拶(いっさつ)に本来の面目に逢着(ほうちゃく)せしむるの微意にほかならぬ...
夏目漱石 「虞美人草」
...彼は子供に対する母親の愛情が父親のそれに比べてどの位強いかの疑問にさえ逢着(ほうちゃく)した...
夏目漱石 「道草」
...けれどもそれに逢着(ほうちゃく)するのは難中の難事である...
夏目漱石 「倫敦消息」
...影を追えば本体に逢着(ほうちゃく)する時がないとも限らぬ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その困難に逢着(ほうちゃく)している苦しさが多分にあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...デュウゼが新しい考え方と演じ方とをもって出現するに及び革命に逢着した...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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