...這い出るのに苦労をするらしく...
梅崎春生 「幻化」
...鉄扉を締められた入口のほかには蟻一匹這い出る穴さえないのであった...
大阪圭吉 「坑鬼」
...蟻の這い出る隙間もなく堅めているではありませんか...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...と云う声を夢の様に聞きながらお久美さんは両手をしっかり握り合わせて化石した様に夕闇の葉陰から音もなく這い出る中に立って居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...むずむずと這い出るような二疋の生きものの絵を...
室生犀星 「香爐を盗む」
...もちろんその時には星浦警察署と町の青年の全員が工場の周囲を蟻(あり)の這い出る隙もないくらい包囲していた...
夢野久作 「オンチ」
...地隙(ちげき)を這い出る数億の蟻(あり)の行列の一匹一匹に青空一面の光りを焦点作らせつつジリジリと真夏の白昼(まひる)の憂鬱を高潮させて行った...
夢野久作 「巡査辞職」
...この家の周囲(まわり)は蟻(あり)の這い出る隙(すき)もないくらい厳重にとりかこまれているようである...
夢野久作 「冥土行進曲」
...蟻の這い出るすきもないほど...
吉川英治 「新書太閤記」
...やどかりが這い出るように...
吉川英治 「親鸞」
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