...逆境のドン底にあつてもしやれや冗談の言えるようになりたい...
伊丹万作 「余裕のことなど」
...政治上に於ては長く逆境の人たらざるを得ざりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...殊にその青年逆境の時代には最も温い庇護者であつた...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...逆境のレンブラントはそのあおりを喰って高利貸に責め立てられ...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...ベートーヴェンの天才はその逆境のうちに芽ぐみ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...逆境の効果が出たかと嬉しかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...第四十一章 逆境の教訓今までメアリはコニーに頼りっきりだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...然し事實は、逆境の裡にこそ、眞の人生味があるのであつて、逆境の快を味はなければ、遂に人生を味はずしてしまふのも同じことだ...
吉川英治 「折々の記」
...強い生活信念と生活皮膚を養つてくれた逆境の訓育である...
吉川英治 「折々の記」
...逆境の中から自然にえたような廓に似合わしくない諦観をどこかに持っていたそうである...
吉川英治 「紅梅の客」
...逆境の流軍はあてなく歩いた...
吉川英治 「三国志」
...それがし逆境の身に...
吉川英治 「三国志」
...過去をふりむいて見ても、曹操の勢力は、逆境のたびに、躍進してきた...
吉川英治 「三国志」
...逆境の中にも、なお人生を楽しもうとする不屈な気力はある...
吉川英治 「三国志」
...今が逆境の谷底と見えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかし、人生のおもしろさ、生命の息吹の楽しさは、その山頂にはなく、却って、逆境の、山の中腹にあるといっていい...
吉川英治 「新書太閤記」
...薄縁逆境の人武蔵が歿(ぼっ)したのは正保二年の五月十九日で...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...介三郎は噛んでふくめるように、「たとえばだよ、おまえの宗旨(しゅうし)は法華(ほっけ)だそうだが、おまえが艱難(かんなん)に克(か)とうとするときは、日蓮(にちれん)のつよい意志を思い出して、自分の意志を励まそうとするだろう」「……ええ、日蓮さまも、ずいぶんご苦労なさいましたからね」「秀吉(ひでよし)は、もう白骨のひとだが、逆境の若い者が、秀吉の幼少や少年のときを胸に呼び起せば、逆境何ものだという気をふるい出されよう...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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