...政治上に於ては長く逆境の人たらざるを得ざりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...殊にその青年逆境の時代には最も温い庇護者であつた...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...逆境のレンブラントはそのあおりを喰って高利貸に責め立てられ...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...心を千々に砕くいまの逆境のほうをおれは愛する...
久生十蘭 「だいこん」
...逆境の効果が出たかと嬉しかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...逆境の裡(うち)に有ると答へる...
吉川英治 「折々の記」
...人生は逆境の連鎖だと覺悟してよい...
吉川英治 「折々の記」
...沓(くつ)を売り蓆(むしろ)を織っていた逆境の時代――黄河のほとりにたって...
吉川英治 「三国志」
...少し逆境の波間を泳ぐと...
吉川英治 「私本太平記」
...逆境の尊氏をたすける機運に大きな力をなしていたのではなかろうか...
吉川英治 「私本太平記」
...今が逆境の谷底と見えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...青年逆境の頃の追憶が路傍の一木一草にもあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...逆境の中から生れて...
吉川英治 「新書太閤記」
...孤立と逆境の苦悶を濃くするにつれて...
吉川英治 「新書太閤記」
...薄縁逆境の人武蔵が歿(ぼっ)したのは正保二年の五月十九日で...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...彼は生涯逆境の人であった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...介三郎は噛んでふくめるように、「たとえばだよ、おまえの宗旨(しゅうし)は法華(ほっけ)だそうだが、おまえが艱難(かんなん)に克(か)とうとするときは、日蓮(にちれん)のつよい意志を思い出して、自分の意志を励まそうとするだろう」「……ええ、日蓮さまも、ずいぶんご苦労なさいましたからね」「秀吉(ひでよし)は、もう白骨のひとだが、逆境の若い者が、秀吉の幼少や少年のときを胸に呼び起せば、逆境何ものだという気をふるい出されよう...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...逆境の子弟が功成り名をとげるよりも...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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