...此中有(ちゆうう)に迷ふ生活から逃れて寧ろ彼の癩病やみになりたいと思ひながら僕は重い心を抱いて山を下つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...彼人のわが都を逃れしさまと我新境界(きやうがい)とを聞き知り給はんには...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...人目を逃れることは出来ぬ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...私は悪夢から逃れようともがく人の様に...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...出産結婚死亡にいたるまでなに一つこの紙面から逃れることは不可能だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...危く虎口(ここう)を逃れた気がして...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...母の膝から逃れようとする道綱を押へたことを思ひ起した...
田山花袋 「道綱の母」
...逃れて遠く茫々のヘラスの郷を巡り行き...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...嗅ぎわけられる恐ろしさから逃れようとしたか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しも氣がつかなかつた」平次の追及を逃れるやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...水を潜って逃れたお銀は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殊に私はすえ子を失った傷手を逃れるために...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...その逃れないのを知るやいきなり私を指さして気狂いのように絶叫した...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...自意識の重圧から逃れようとする...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...もうブルース卿夫妻の質問攻めを逃れて解放される...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...利島に逃れしも上陸を許されず...
南方熊楠 「十二支考」
...お前は地獄を逃れ出たものか...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...私は幾度(いくたび)か席を逃れようとした...
森鴎外 「余興」
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