...我々の心は未だ嘗て罪悪の意識を逃れたことはない...
芥川龍之介 「僻見」
...そして患者がこの危険を逃れても...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...然れども、唯敬す可くして、近く可からず、遂に憚れて、逃れかえりぬ...
高木敏雄 「比較神話学」
...母の膝から逃れようとする道綱を押へたことを思ひ起した...
田山花袋 「道綱の母」
...汗は川より逃れ來し彼を弱らせ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...(ここを逃れて――牧を討たなくてはならぬ――)と...
直木三十五 「南国太平記」
...上の方は」「逃れた奴はござりませぬ」八郎太は...
直木三十五 「南国太平記」
...煩雜と抵抗の刺戟から逃れて温泉地へでも行けと云つた...
平出修 「計畫」
...とても逃れることのできぬ因縁と思し召し...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...ハントなら容易に言い逃れできます...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...悒鬱極まりもない擂鉢の底から逃れ出すには...
牧野信一 「月あかり」
...兎も角私は用を足して了はなければならぬと負傷者のやうな痛ましい物腰で鞍から逃れようと試みた...
牧野信一 「夜見の巻」
...それ丈この老い痴れた妖魔の手管と誘惑から逃れ出づる事は容易で無い...
室生犀星 「愛の詩集」
...筒井は言い逃れはできないようになっていた...
室生犀星 「津の国人」
...その美しい霧か何ぞのように蔽(おお)いかぶさって来る彼女の魔力から逃れ出る一つの手段を思い付いたので……それは少々乱暴な...
夢野久作 「少女地獄」
...まるで地獄の責苦から逃れた人のように生汗を流していた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...鯉淵勢に遭(あ)ひて秋葉に逃れた...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...四月の末日限り此(この)陰気な食卓から逃れて仕舞(しま)つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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