...時々人気に驚いて熊笹をゆすって逃げ去る兎くらいのものでまったく閑寂そのものである...
上村松園 「北穂天狗の思い出」
...どうして逃げ去ることが出来たのであろう...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...必ずこれに傷をつけて全く逃げ去ることのできぬだけに弱らせておき...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...近寄って行けば逃げ去るのだ...
太宰治 「猿面冠者」
...近寄って行けば逃げ去る...
太宰治 「美少女」
...蜻蛉は彼の鼻先にしたたか噛みついて逃げ去るし...
田中英光 「さようなら」
...逃げ去る者の間より勝も譽も起り得ず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...川下へ逃げ去る)老船頭 あ――そッと教えてやろうと思ったのに...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...政吉は文太郎を絞殺するに隙なく逃げ去る...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...これは蜥蜴の尾にも能く見るところで切った尾が跳り行くのに敵が見とれ居る間に蜥蜴は逃げ去るべき仕組みだ...
南方熊楠 「十二支考」
...かくすれば蛇は奇妙に逃げ去るとなりと(『人類学雑誌』第三二巻十号三一三頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...警吏の包囲をのがれるために尼寺の塀を乗り越えて小さなコセツトを縄で塀の上から吊り上げて逃げ去ることなぞをも端(はし)なく思ひ出されたのであります...
室生犀星 「ザボンの実る木のもとに」
...負けた後は逃げ去ることさえできないようにした...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...皆逃げ去るを鬼追ひかけて捕ふる也(なり)と見えている...
柳田国男 「こども風土記」
...あるいはこの犬飼が妻の逃げ去るのを妨(さまた)げるために...
柳田国男 「年中行事覚書」
...侍は急ぎ散らかされた文を箱に入れて一目散に逃げ去る...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...そこを逃げ去る足もすくんでいました...
吉川英治 「江戸三国志」
...無断官地を捨てて逃げ去る――と」「はっ...
吉川英治 「三国志」
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