...時々人気に驚いて熊笹をゆすって逃げ去る兎くらいのものでまったく閑寂そのものである...
上村松園 「北穂天狗の思い出」
...どうして逃げ去ることが出来たのであろう...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...近寄つて行けば逃げ去るのだ...
太宰治 「猿面冠者」
...逃げ去る者の間より勝も譽も起り得ず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼より汝逃げ去るや?――見よ身一つにメネラオス...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...お千代は怒って何か言うかあるいは畳を蹴(け)って逃げ去るかと思いの外(ほか)...
永井荷風 「ひかげの花」
...怖れをなして逃げ去るのは当然でしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...政吉は文太郎を絞殺するに隙なく逃げ去る...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...一つの弱々しい言葉が僕の口から逃げ去る...
堀辰雄 「眠れる人」
...また虎は羊の角を焼いた煙を忌みその臭(かざ)を悪(にく)んで逃げ去る...
南方熊楠 「十二支考」
...警吏の包囲をのがれるために尼寺の塀を乗り越えて小さなコセツトを縄で塀の上から吊り上げて逃げ去ることなぞをも端(はし)なく思ひ出されたのであります...
室生犀星 「ザボンの実る木のもとに」
...負けた後は逃げ去ることさえできないようにした...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その速やかに逃げ去るのをとどめ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...海から逃げ去る後影であろうと思う...
柳田国男 「雪国の春」
...侍は急ぎ散らかされた文を箱に入れて一目散に逃げ去る...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...そこを逃げ去る足もすくんでいました...
吉川英治 「江戸三国志」
...仕官を途中にして逃げ去るなどとは何事だ...
吉川英治 「三国志」
...ばかり逃げ去るようにここの山荘を立ち去った...
吉川英治 「私本太平記」
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