...芸術家が退歩する時...
芥川龍之介 「芸術その他」
...私達はここまで進んで来た個人生活を停止し若しくは退歩させて...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...退歩か...
田山録弥 「手品」
...だから、たとえば、何かこう恩知らずな、というより、退歩的な、人を小馬鹿にした顔つきの紳士が、出しぬけになんのきっかけもなく、見渡すかぎり分別で充満しているような未来の世界のただ中で、両手を腰に当て肘をはりながら、一同に向かって、『どうだね、諸君、この分別くさい世界をひと思いに足で蹴飛ばして、木っぱ微塵にしてしまったら? それもほかに目的があるわけではない、ただこの対数表を悪魔どもの餌食にしてしまって、また自分の馬鹿げた意志通りに生活してみたいからだ!』などといい出したにしても、わたしはいっこうに驚かないつもりだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...これは專門の學術の退歩をよく表はしてゐる...
内藤湖南 「支那目録學」
...目録の學は又一段の退歩をした...
内藤湖南 「支那目録學」
...家庭を持つと退歩して行く...
直木三十五 「大阪を歩く」
...されど師匠も弟子も技藝は更に進歩せず、寧退歩の傾あり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...東京なる都会の興味は勢(いきおい)尚古的(しょうこてき)退歩的たらざるを得ない...
永井荷風 「日和下駄」
...この点よりして渡船の如きは独(ひと)りわれら一個の偏狭なる退歩趣味からのみこれを論ずべきものではあるまい...
永井荷風 「日和下駄」
...むしろ退歩してゐるといふ説には一面の真理があることを否定し得ないのである...
平林初之輔 「エミイル・ゾラの文学方法論」
...そうして、世の常の文明なるものも、みんな、このたぐいの、実は進歩だか、退歩だか、まったくもってわからない、いや、進歩でもあり、退歩でもあるもののような気もせずにはいられない……...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...そしてその状態が進歩的であるか停止的であるかまたは退歩的であるかは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...長期間に亙る退歩的運動と窮乏という非常に高い代価を払って購われたものであることが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...或ものには進歩であるそのことが或ものには退歩としてあらわれるということ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...作られる品にはむしろ退歩が目立つのは大きな矛盾といわねばなりません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...大きな退歩があり変化があったことを...
柳田国男 「木綿以前の事」
...必ず一つは前へ戻って退歩した作品を書いてみる習慣をとっている...
横光利一 「作家の生活」
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