...彼等の態度に好意と親切とがないのだから彼と彼等との間には非常な迂路をとらなければ理解の途がないと思つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...迂路(うろ)つき廻(まわ)るので既(すで)に三里(り)以上(いじやう)歩(ある)いたに關(かゝは)らず...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...非常な迂路なれど...
大町桂月 「春の郊外」
...乞食が迂路(うろ)つかうなどとは夢にも思はなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...甚だしいソフィスチケーションの迂路(うろ)を経由して偶然の導くままに思わぬ効果に巡り会うことを目的にして盲捜りに不毛の曠野(こうや)を彷徨(ほうこう)しているような気がする...
寺田寅彦 「二科展院展急行瞥見記」
...この際もし車掌がある一つの主義を偏執してたとえば大通りばかりを選ぶとするとそれを徹底させるためには時にはたいへんな迂路(うろ)を取らねばならぬような事があるだろう...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...殊更迂路(まはりみち)をして...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...私は若い女のやうにいろいろな迂路には惱まなかつた...
林芙美子 「あひびき」
...家(うち)の人(ひと)の機嫌(きげん)そこなうても困(こま)りますと迂路(うろ)/\するに...
樋口一葉 「われから」
...今時分迂路(うろ)つくなんて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...もう決して追ひ出されたり迂路(うろ)ついたり...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...夜中近くまで庭に迂路うろして待ってみたが...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...立法等の所謂合理的なる迂路を經ずして...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...迂路歩相忘...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...余計な迂路(まはりみち)をしたり...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...また感情には迂路を取らぬ直截性を持つてをり...
吉井勇 「老境なるかな」
...迂路鼠(うろねずみ)ノ張三(ちょうさん)は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...右手(めて)の石段の上に四五人の男が迂路々々(うろうろ)している...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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