...さうして歴史家と教育家との懶惰と迂愚とによつて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...思えば自分はどう考えても迂愚(うぐ)であった...
伊藤左千夫 「大雨の前日」
...当時とは経済状態も曩日の観察をもって今日を卜することの迂愚なることはもちろんであるが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...迂愚の狸は知らなかつた...
太宰治 「お伽草紙」
...甚だしきに到つては、文學の鬼、などといふ、ぶしつけな、ひどい言葉を何某先生に捧げたりしてゐて、これではいくら何でも、その何某先生も御立腹なさるだらうと思ふと、また、さうでもないらしく、その何某先生は、そんな失禮千萬の醜惡な綽名をつけられても、まんざらでないらしく、御自身ひそかにその奇怪の稱號を許容してゐるらしいといふ噂などを聞いて、迂愚の私は、いよいよ戸惑ふばかりである...
太宰治 「お伽草紙」
...私の如き迂愚の者にも察しがつく...
太宰治 「『パンドラの匣』あとがき」
...犬の悲哀(トリステサ)ばかりを笑っていた自分の迂愚さ加減が...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ただ地図の上へ盲滅法に線を引いただけの迂愚(うぐ)を笑いつつ...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...財政記者の迂愚(うぐ)を嗤(わら)うかの如きM百貨店...
辰野九紫 「青バスの女」
...『ネチュアー』の記者はこれについて大いに当局の迂愚(うぐ)を攻撃しているのは尤(もっと)もな事である...
寺田寅彦 「戦争と気象学」
...夢遊病者の迂愚!)それにしても先に着いてるとのみ思ひ込んでゐた私の姿の見えないのが...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...生来迂愚なる私如きが...
久生十蘭 「魔都」
...恩礼養迂愚...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...味気(あじけ)ない迂愚(うぐ)と堕落(だらく)を...
吉川英治 「新書太閤記」
...――「ご存知ないか?」その迂愚(うぐ)を嘲(あざけ)ったのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分の迂愚(うぐ)を罵(ののし)って...
吉川英治 「親鸞」
...官職――まちがえば生命までを賭(か)けるような迂愚(うぐ)ではなかった...
吉川英治 「平の将門」
...自分の迂愚(うぐ)を嗤(わら)ったが...
吉川英治 「松のや露八」
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