...迂散(うさん)らしく相手の顔を見やつた...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...迂濶(うくわつ)に断言は出来ないらしい...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...非常な迂路なれど...
大町桂月 「春の郊外」
...一晩じゅう雨に紛れてこの家のまわりを迂路(うろ)ついていた――祖母は...
谷譲次 「踊る地平線」
...――これはおれも迂濶だった...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...その時……僕も迂濶でしたが……その時初めて気がつきました...
豊島与志雄 「舞踏病」
...迂濶(うくわつ)に死ぬ事も出來ないであらう現(げん)代の專(せん)門棋士(きし)は平凡(ぼん)に...
南部修太郎 「下手の横好き」
...私の迂愚(うぐ)と偏見を憐んで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...何か迂散臭い眼つきで此方を眺める気がして私は...
牧野信一 「鬼涙村」
...さも/\自分が迂闊であつたといふことを大業にして...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...なんという迂闊さだろう...
正岡容 「寄席」
...迂斎は吉村正隆、東渓は松浦陶である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...山腹を左へ右へと迂回(うかい)して登る...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...お急ぎのお方はその列車でS駅からT線を迂廻して下さい...
横光利一 「頭ならびに腹」
...人間共通の問題を考えるというがごとき迂遠なことは...
横光利一 「欧洲紀行」
...わざと岩井村の東を迂廻して...
吉川英治 「私本太平記」
...そういう虫ケラどもが業(わざ)をする日蔭はない」「迂遠(うえん)でござる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...右手(めて)の石段の上に四五人の男が迂路々々(うろうろ)している...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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