...さきほどの百右衛門のかずかずの悪口、聞き捨てになりがたく、金内軽輩ながら、おのれ、まっぷたつと思いながらも、殿の御前なり、忍ぶべからざるを忍んで、ただ、くやし涙にむせていましたが、もはや覚悟のほどが極(きま)りました...
太宰治 「新釈諸国噺」
...「それはない」「名越殿には?」「無いのう」「方々には」軽輩の...
直木三十五 「南国太平記」
...某、国越えの時、秋水党と申す、軽輩の若者共が、斬込みに参りましたし、江戸よりは、三組の刺客が出ました由、長田兵助より知らせて参っております」「わしも聞いた」「その上に、某の老師、加治木玄白斎が、延命の呪法を行っておりましょう...
直木三十五 「南国太平記」
...軽輩が継いでくれよう...
直木三十五 「南国太平記」
...軽輩であるゆえに...
直木三十五 「南国太平記」
...それは、命を賭けた恋人に逢う気持のようでもあったし、自分を育ててくれる神、自分の縋ろうとする大きい力、世の中の称讃を一人で受けている英雄、智慧と、慈悲との権化のような主君――そして、自分のような、軽輩に、目をかけてくれる人――そういう感じが、深い、強い感激となって、肌が締ってくるように感じた...
直木三十五 「南国太平記」
...お前達、軽輩二十人で、天下の難に赴き、日本を双肩に――いいや、吉之助一人、一蔵一人、岩下一人で、天下を双肩に負うくらいの覚悟が無うて、何うする? わしは、お前達が、悉く、その決心で居るとおもうていたに、何事じゃ」吉之助も、一蔵も、俯向いたきりであった...
直木三十五 「南国太平記」
...「久光、重臣と共に、軽輩を、可愛がってやれよ」「はっ」久光は、感激に、全身を燃えさせていた...
直木三十五 「南国太平記」
...上の方の人々は、近頃の世間と同じように、一口に、痩浪人がと、軽蔑しながら、その浪人達の何かの力を恐れているように「何んの、紙漉武士共が」と、軽輩を、軽蔑しながら、その軽輩共の、身体から溢れて来る、眼から放射されて来る力に、圧迫を感じていた...
直木三十五 「南国太平記」
...倒幕のこと、開国のことにかけては、軽輩の方が、遥かに、経験と、理前とをもっていた...
直木三十五 「南国太平記」
...軽輩が、何をしても、だまっているのを、将曹等は、斉彬が亡くなっての失望だと、考えていた...
直木三十五 「南国太平記」
...勝利は、明らかに、軽輩の手にある...
直木三十五 「南国太平記」
...吾等軽輩はやらずにおくものか...
直木三十五 「南国太平記」
...いずれも同家中の軽輩の娘で...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...それ以下の軽輩浪人に到っては...
夢野久作 「近世快人伝」
...あんな軽輩としてではなかったろう――云々)大兄にこういう手数まで煩(わずら)わしたかと思うと...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...生涯つとめても軽輩者...
吉川英治 「無宿人国記」
...――軽輩だけに大した余波もないらしいが...
吉川英治 「無宿人国記」
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