...目を転ずると、杉の木立の隙(ひま)から見える限り、野も山も美しく薄紅葉して居る...
石川啄木 「葬列」
...さて目を転ずる...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...実にすばらしいものだなあ」北川氏の歓喜は勝利の悲哀に転ずる一刹那前のクライマックスに達していた...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...あるいは外交官試験や高等文官試験などに落第したがために実業界に転ずるという如き例は甚(はなは)だ多い...
大隈重信 「現代学生立身方法」
...あたかも水が岩か山かに出遇うと其処(そこ)で屈折して流れを転ずる...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...そうしてその目は必ずこの高崎山に転ずるにきまっている...
高浜虚子 「別府温泉」
...さて眼を鏡台の下に転ずるならば...
高見順 「如何なる星の下に」
...見えます……瞳(め)を転ずると...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...ことさらな方向に眸子(ひとみ)を転ずる事なしに...
夏目漱石 「行人」
...若き人を慰める為か話頭を転ずる...
夏目漱石 「幻影の盾」
...彼が室(へや)の入口に眼を転ずると...
夏目漱石 「明暗」
...この谷川の水が丑寅(うしとら)の方向に転ずるところ...
本庄陸男 「石狩川」
...転句で転ずるのがラジオなどで聴いていると転句のところでまるで喧嘩でもしているように怒鳴る...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...農業に対する奨励ではなくなり阻害に転ずるという点に...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...それを無視することも幸いに転ずることも我々の思いのままになるはずだと思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...多くの個人的作家が「工藝」を去って「工藝美術」に転ずるのは...
柳宗悦 「工藝の道」
...特に分業に転ずる時...
柳宗悦 「雑器の美」
...在来の仏教を捨ててキリスト教に転ずることとは...
和辻哲郎 「鎖国」
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