...軈て、十二時を報ずるステーションの工場の汽笛が、シッポリ濡れた樣な唸りをあげる...
石川啄木 「葬列」
...軈て信吾の書齋にしてゐる離室(はなれ)に...
石川啄木 「鳥影」
...軈て、裾短かの筒袖を着た志郎と昌作が入つて來た...
石川啄木 「鳥影」
...軈てきっと顔を上げて申しました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...軈て食事が終ると...
大阪圭吉 「花束の虫」
...軈てそれも終ると...
大阪圭吉 「花束の虫」
...軈て『餅(あんも)が焦げてまつせ』と言ふ聲がする...
高濱虚子 「俳諧師」
...軈ておつかさんが出られたので...
長塚節 「竹の里人〔二〕」
...日曜でせう? 大久保へ一緒にゆかない? ひとりで行くのつまらないわ‥‥」軈て...
林芙美子 「愛する人達」
...軈てさえもかへつてゆくと...
林芙美子 「うき草」
...軈てあきらめてぬかるみのひどい山道を默々とびつこを引きながら我家へ戻つた...
林芙美子 「うき草」
...通ひの女も軈て挨拶して戻つて行くと...
林芙美子 「浮雲」
...軈て暫くしてから...
林芙美子 「秋果」
...軈て、女中が次の間で蒲団を敷いてゐる様子だつたが、女中が、また泊り料の前金を里子の口を借りて催足した...
林芙美子 「瀑布」
...倫敦は軈て芳香(かおり)高い薔薇の咲く頃となった...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...軈て客は子供達や彼女をつれて街(まち)へ出かけて行つた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...禁断の花ひと妻を美(は)しと思はばもはやをとめごに心走らすことなしかかるときも軈て君にきたらむ...
室生犀星 「忘春詩集」
...彼のやうな臆病な小心な良人を軈て自滅さす種類の女であつたが...
横光利一 「悲しみの代價」
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