...軈て鐵瓶の蓋を取つて見る樣な音がする...
石川啄木 「菊池君」
...軈て、旅人は袂を探つて莨を出した...
石川啄木 「散文詩」
...軈て、下腹の底が少しづゝ痺(しび)れる樣に痛み出した...
石川啄木 「鳥影」
...軈て亡妻の形見分の時がまいり...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...情意投合した男女は軈て同じ食卓に向い合って腰掛けました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...軈て夫人に向って...
大阪圭吉 「花束の虫」
...そして、おお、呆然(ぼうぜん)として了った秋田の耳へ、軈て、狂躁なジャズの音が、軽いステップの音と一緒に、隣室から聞え始めて来た...
大阪圭吉 「花束の虫」
...軈て仕方なさそうに...
大阪圭吉 「花束の虫」
...軈て大月は、ニタニタ笑いながら立上ると、大胯に隣室へ這入って行った...
大阪圭吉 「花束の虫」
...軈て親爺が熱く燗をしたコップと...
林芙美子 「雨」
...俺達の不思議な氣持ちも軈て判るだらうとおもつてゐる...
林芙美子 「或る女」
...軈て、紅茶道具を無雜作にさげて來た笹原は、默つたままゆつくりゆつくり紅茶を淹れてゐる...
林芙美子 「風媒」
...美津……」「よろこんでくれるから持つて來たくなるのよ」「そりやさうさ……」軈て酒をつけて...
林芙美子 「雪の町」
...軈て続々直ちに救助に赴く旨航行中の各船から返電があったが...
牧逸馬 「運命のSOS」
...軈てそっとボウマス刑事の袖を引いて...
牧逸馬 「土から手が」
...軈て私は何を見、そうして驚いたか!私の嘗て知らない不思議な世界が此処から開け初めた...
松永延造 「職工と微笑」
...この相馬氏も軈て立派に一家をなして業界に重きをなす人となったが...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...軈て自由と平等とはその名の如く美しく咲くであろう...
横光利一 「黙示のページ」
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