...まして倉地のように身分不相応な金づかいをしていた男にはなおの事だ...
有島武郎 「或る女」
...身分不相応な資本(もとで)を入れて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...身分不相応な働きぢやて……」と言つて...
薄田泣菫 「茶話」
...身分不相応な金を持っていることであった...
田中貢太郎 「風呂供養の話」
...先年身分不相応な大金を投じて家を建てた時...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...それが総(すべ)て身分不相応な事である...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...なぜ身分不相応な暮らしをして借金ばかりするのか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...時として身分不相応な装飾を施し...
中里介山 「大菩薩峠」
...真宗では仏壇に身分不相応な金を掛けるのが古例である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...身分不相応な贅(ぜい)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それがほんとうなら、お祖父さんの世話をするという心配がなくなったわけで、このへんが、まともな職業につくチャンスだとも思われるのだが、身分不相応な、不時の収入に甘やかされてきた身で、いきなり、六千なにがしの給料だけで、生活してゆくことはむずかしい...
久生十蘭 「あなたも私も」
...わずかばかりの俸給で身分不相応な体裁を張るのに...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...身分不相応な大熊手を買うて見た処で...
正岡子規 「熊手と提灯」
...徒(いたずら)に大きなことをいふて身分不相応な事業または雑誌などをやることはよくあるまい...
正岡子規 「病牀六尺」
...僭上は身分不相応な上わぞりをする義で古来この語あり...
南方熊楠 「十二支考」
...この時の身分不相応な幸福そのものだったのであります...
夢野久作 「暗黒公使」
...アナタに差上るのならばドンナに身分不相応なものでも恥かしくないことが...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...ドンナに身分不相応な事でも...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
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