...いっそ捨ててしまったものかと躊躇(ちゅうちょ)する少女の心に似たぞんざいなためらいを葉子はいつまでも持ち続けていた...
有島武郎 「或る女」
...夜の烏がその上に躊躇(ためら)つてゐる...
上里春生 「傾ける殿堂」
...躊躇(ちゅうちょ)した...
海野十三 「空襲葬送曲」
...私にはひどく躊躇せられたのである...
太宰治 「同じ星」
...狸は初めの間は躊躇している様子であったが...
田中貢太郎 「狸と俳人」
...だが躊躇(ちゅうちょ)された……そうだと言いたくなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...前に立っている男を何らの躊躇(ちゅうちょ)も惑いもなく認定しつづけるかどうかを尋ねた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...而も其れを躊躇して三年も四年も手を着けなかつたと云ふのは...
豊田喜一郎 「國産自動車と價格の問題」
...三四郎は入口でちょっと躊躇(ちゅうちょ)した...
夏目漱石 「三四郎」
...躊躇(ちゅうちょ)なく答えた...
夏目漱石 「二百十日」
...あの洋杖(ステッキ)をどうして持って出たものだろうかという問題がちょっと彼を躊躇(ちゅうちょ)さした...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「その押入を開けて見ろ」八重吉は躊躇(ちうちよ)しましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一瞬ムーアは躊躇(ちゅうちょ)した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...汚れくさったその子の通信箋を一瞥(いちべつ)すると何らの躊躇(ちゅうちょ)もなくこの教室にあらわれ...
本庄陸男 「白い壁」
...基督に分析的研究を加えるに躊躇する...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...女はまだ躊躇(ちゅうちょ)をしているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...安(やす)が躊躇(ちゅうちょ)して決せないために起るのである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...幾らかの躊躇と一緒に玄関の戸を押開け含んだ声で案内を乞うてみた...
蘭郁二郎 「魔像」
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