...そしてそれに近寄る冒険を躊躇(ちゅうちょ)する...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...もうかれは躊躇(ちゅうちょ)していなかった...
海野十三 「金属人間」
...のぼることも降りることも躊躇(ちゅうちょ)される...
海野十三 「西湖の屍人」
...首かゝむとして躊躇す...
大町桂月 「國府臺」
...御予言とはいへ、ただ出鱈目に放言なさつたのがたまたま運よく的中したといふやうなものではなく、そこには、こまかな御明察もあり、必ずさうなるべき根拠をお見抜きなさつて仰出されるのに違ひございませぬが、けれども凡愚の者に於いては、明々白々の根拠をつかんでゐながらもなほ、予断を躊躇し、或いは間違ひかも知れぬ、途中でまたどのやうに風向きが変らぬものでもない、などと愚図愚図してあたりを見廻してゐるものでございまして、それが厩戸の皇子さま、または故右大臣さまのやうなお方になると、ためらはず鮮やかに断言なされて的中なさらぬといふ事はないのでございますから、これはやはり、御明察と申すよりは、御霊感と名づけたはうがよろしいやうに私たちには考へられます...
太宰治 「右大臣実朝」
...躊躇(ちゅうちょ)せず...
太宰治 「鴎」
...躊躇シテイルトコロヘ持ッテ来テ予ノ高飛車ナ云イ方ガ尋常デナイタメニ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...遂に躊躇して手を下だすを憚りたるは首相たるの威厳を失墜したるものに非ずして何ぞや更に地方議員選挙干渉に就て之れを見るも閣下は断じて此の事実を認めずといふを得ざるものたるに拘らず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...くぐるを躊躇せざるを得ない門がある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...卯平(うへい)は少時(しばらく)躊躇(ちうちよ)して(かき)の木(き)の根(ね)に其(そ)の疲(つか)れた身(み)を倚(よ)せた...
長塚節 「土」
...代助は幾度(たび)か己れを語る事を躇した...
夏目漱石 「それから」
...しばらくそこで躊躇(ためら)うようすだったが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...何の躊躇するところがありましょう...
久生十蘭 「キャラコさん」
...躊躇と疑いが依然として伴うけれども...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...少しも躊躇(ちゅうちょ)することなく...
穂積陳重 「法窓夜話」
...しばらく躊躇(ためろ)うていたが...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...私は少しの躊躇もなく...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...一秒躊躇(ちゅうちょ)すれば一秒だけ余計に「自分が犯人」である事を自白し続ける事になるのだぞ...
夢野久作 「冗談に殺す」
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