...霧島躑躅(きりしまつつじ)常(じやう)――常談(じやうだん)云つちやいけない...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...貴女は四郎と日比谷公園の五月躑躅(さつき)の陰で会っていたのでしょう」「……」ジュリアは泣くのを停(や)めた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...裏庭の霧島躑躅がようやく若芽を出しかけていた頃であった...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...もう躑躅(つつじ)が出ている...
太宰治 「新樹の言葉」
...正面のポーチへ通ずる路の両側に躑躅(つゝじ)が行儀よく植えられて...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...前には伽羅(きゃら)や松や躑躅(つつじ)や木犀(もくせい)などの点綴(てんてつ)された庭がひろげられてあって...
田山花袋 「田舎教師」
...躑躅植ゑて夜冷えする庭を忘れけりやがて仁王丸と如石と打連れて帰って行った...
富田木歩 「小さな旅」
...庭には真赤な躑躅が咲いていた...
豊島与志雄 「同胞」
...あれはあなた様のお邸ではござりませぬか」「躑躅ヶ崎が拙者の何であろうと...
中里介山 「大菩薩峠」
...その周囲に稚(わか)い松だの躑躅(つつじ)だのを普通の約束通り配置した景色は平凡というよりむしろ卑俗であった...
夏目漱石 「明暗」
...筑波山へ躑躅(つつじ)でも見に行くような格好でコンパルチマンから降りてきて...
久生十蘭 「ユモレスク」
...一体に大きくなり過ぎてゐたそれらの躑躅の手入れに植木屋を入れた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...日前国懸両宮往古年中行事(ひのくまくにかかすりょうぐうおうこねんじゅうぎょうじ)にも「四月八日供躑躅(つつじをそなう)」という例はあるので...
柳田国男 「年中行事覚書」
...三十年頃には久留米躑躅(つつじ)...
山本笑月 「明治世相百話」
...よろよろと躑躅(つつじ)ヶ崎(さき)の郭内(くるわない)にあるお長屋(ながや)へ帰ってきたのは...
吉川英治 「神州天馬侠」
...おととい躑躅(つつじ)ヶ崎(さき)に来た使いは...
吉川英治 「新書太閤記」
...苦心して写しとって来た甲府の躑躅(つつじ)ヶ崎の絵図面である...
吉川英治 「新書太閤記」
...躑躅や、空木の間から、草の光りを滑るかのやうに、鶯の声が流れて来た...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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