...正宗白鳥氏はこの点では対蹠点(たいせきてん)に立つてゐると言つても善い...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...縁板が蹠(あしうら)に吸いつくかと思われるように寒い晩になっていた...
有島武郎 「親子」
...それが磁石(じしゃく)に吸いつく鉄屑(てつくず)のように蹠(あうら)にささりこんだようでもある...
有島武郎 「星座」
...うつむけに畳に伸びた蹠(あしうら)を踏ませられる...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...蹠(あしうら)である...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...彼は自分の蹠(あしうら)がスルメみたいに薄く...
梅崎春生 「幻化」
...時々足の蹠(うら)が熱くなると毬を廻して別な所を蹈(ふ)んでいた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...足の蹠(うら)までも写してあり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...俳諧の理解ある嘆美者クーシュー(Paul-Louis Couchoud)はアメリカ文化と日本文化の対蹠的(たいせきてき)なことを指摘し自分らフランス人はむしろ後者を選ぶべきではないかと言っている...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...余所(よそ)では人が蹠(かかと)であるいている...
夏目漱石 「虞美人草」
...それの対蹠であるファッショや強権主義者等までが...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...何だか海の蹠のやうだ...
原民喜 「海の小品」
...でっぷりと小肥りの身体と、骨ばった痩躯も、対蹠的だ...
火野葦平 「花と龍」
...その対蹠がかえって或る人々には彼等の精神的類似を目立たせるのだ...
堀辰雄 「聖家族」
...蹠に感じる岩肌が温泉の底のやうであつた...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...欧米と対蹠(たいしょ)的なものが沢山あるからである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...綱豊の性格は殆んど対蹠的である...
山本周五郎 「山彦乙女」
...対蹠的で興深いものがあります...
吉川英治 「随筆 新平家」
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