...正宗白鳥氏はこの点では対蹠点(たいせきてん)に立つてゐると言つても善い...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...履は険呑(けんのん)な上に蹠(あしのうら)を台なしにする...
薄田泣菫 「茶話」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...しかし彼らの立っていた地盤は今の自然科学のそれとはむしろ対蹠的(たいせきてき)に反対なものであったように見える...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...資本主義の破壊的危機と対蹠関係に立つものがソヴェート同盟に於ける社会主義建設であることは...
戸坂潤 「技術の哲学」
...大陸のライプニツの対蹠の位置にあったイングランドのロック(J. Locke)から始まる経験論は...
戸坂潤 「辞典」
...それと対蹠的な心理をおのずから醸し出していたのである...
戸坂潤 「一九三七年を送る日本」
...わがロシヤのロマン派の特質はヨーロッパの現実ばなれ人種とは対蹠的なもので...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...奈世の全身の重みの間におかれたわしの蹠から次第に精気の様なものが...
富田常雄 「面」
...蹠下(しょか)の民は褥裏(じょくり)に夜半(やはん)太平の計(はかりごと)熟す...
夏目漱石 「虞美人草」
...およそ対蹠的な存在でした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...あの穿きにくいゴム底靴の感覚がすぐ僕の蹠(あしうら)にある...
原民喜 「魔のひととき」
...でっぷりと小肥りの身体と、骨ばった痩躯も、対蹠的だ...
火野葦平 「花と龍」
...蹠に感じる岩肌が温泉の底のやうであつた...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...歩くものゝ蹠では霜柱が崩れ...
牧野信一 「剥製」
...常に簡単な階級的真理の相対的或は対蹠的な形態に帰納される!一一・二二...
槇村浩 「華厳経と法華経」
...この点でも菊池寛は芥川龍之介と対蹠をなしている...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...世界の文化に尽したという全く対蹠的な一事実を...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
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