...「その時蜑崎照文(あまざきてるぶみ)は懐(ふとこ)ろより用意の沙金(さきん)を五包(いつつつ)みとり出(いだ)しつ...
芥川龍之介 「海のほとり」
...海にもぐった蜑(あま)の...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...爾來二百年、宗吾を揚ぐるものの爲に、暴愚の君とおとされて、孤島の蜑雨、長へに忠義の魂を銷す...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...浦づたひ行く蜑(あま)が子の足音(あのと)に響く眞砂路(まさごぢ)に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...見ざりけらしな蜑(あま)が子よ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...今漕ぎ歸るか蜑の子らは...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...ぬすみに獵(あさ)る蜑が子の氷雨(ひさめ)もよひの日こそ來れ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...海原に帆をあぐる蜑舟の心みえや...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...帆(ほ)をあぐる蜑舟(あまぶね)の心(こゝろ)みえや...
薄田淳介 「白羊宮」
...昔より蜑どもの花をさゝげてはいつきまつりけるところと聞きて鯖釣りに沖こぐ蜑もかしこみと花たむけしゆ負へるこの名か眞熊野の浦囘にさける筐(はこ)柳われもたむけむ花の窟に熊野より船にて志摩へかへると...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...左は海濤脚下巖を噛む由良の嶺に栗田の子らが樵る柴は陸ゆはやらず蜑舟に漕ぐ眞柴こり松こる子らが夕がへり疾きも遲きも磯に立ち待つ二十四日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...蜑が家に蛸の生きたるを見てよめる歌天地の未だ別れず...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...乗得(のりえ)ても心許(こゝろゆる)すな蜑小舟(あまをぶね)片瀬(かたせ)の浪(なみ)に浮沈(うきしづ)みありいくら船に乗ッても片瀬の浪があればよいと言うけれども...
新渡戸稲造 「人格の養成」
...その頃、蜑を抱えまするとき、前もって一方の鮑玉を切取る例がござったが、蜑どもにしては、鮑玉の一方が残って居れば、いつでも想う人の子を孕むことができるというその心をうたったものと解して居ります...
久生十蘭 「玉取物語」
...さゝ波や比良山風の海吹けは釣する蜑(あま)の袖かへる見ゆ (讀人しらず)實景を其儘に寫し些の巧を弄ばぬ所却て興多く候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...ささ波や比良(ひら)山風の海吹けば釣する蜑(あま)の袖かへる見ゆ(読人しらず)実景をそのままに写し些(さ)の巧(たくみ)を弄(もてあそ)ばぬ所かへつて興多く候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...さざ波や比良(ひら)山風の海吹けば釣する蜑(あま)の袖(そで)かへる見ゆ (読人しらず)実景をそのままに写し...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...蜑民(タンミン)の舟なのである...
柳田国男 「故郷七十年」
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