...第二齣(せつ)の妙は初齣を踰(こ)ゆること一等なりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...さて平山(ひらやま)一ツを踰(こえ)て坡(さか)あり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...眺め飽かぬ鈴鹿山脈の溪谷を横斷して汽車が伊賀の國境を踰えると...
近松秋江 「伊賀國」
...汝所レ在踰遠...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...月を踰(こ)えて梅雨(つゆ)に打込むの時となりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...例の高冠昂尾の愛を自ら抱いて公は後門を踰(こ)える...
中島敦 「盈虚」
...刎橋(はねばし)を鉄鎖に引けば人の踰(こ)えぬ濠(ほり)である...
夏目漱石 「幻影の盾」
...孔子が七十歳に至って始めて矩を踰えない域に達したのは外部の矩よりも寧ろ内部のこの矩を意味したのではなかろうか...
新渡戸稲造 「自由の真髄」
...孔子の「心の欲する所に従えども矩(のり)を踰(こ)えず」というたのは自由の定義として適切である...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...「あのね、俺がね、先の祭の時教父の処から白い雄鵞鳥を一羽盗んだもんで、罰に教父がパトリック山迄行って来いって云ったのだよ」プカは、半馬鹿の笛吹きを背負ったまま丘越え、沼踰え、荒地を駆けて、到頭パトリック山の頂上迄彼をつれて行きました...
宮本百合子訳 「二つの短い話」
...踰(こ)えれば先は妹背山(いもせやま)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...二百五十踰膳那(ようじゃな)内の鳥獣皆死し...
南方熊楠 「十二支考」
...月を踰(こ)えて枳園は再び遺骨を奉じて入府し...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...お池の水が小さい堰塞(いせき)を踰(こ)して流れ出る溝がある...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...私は一つの関を踰(こ)えて...
森鴎外 「寒山拾得縁起」
...枳園はまた当時纔(わずか)に二十歳を踰(こ)えた抽斎の長男恒善(つねよし)の...
森鴎外 「渋江抽斎」
...歓楽も度を踰(こ)えてはならぬと云う戒を...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...五十を踰(こ)えし母に別るゝをもさまで悲しとは思はず...
森鴎外 「舞姫」
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