...ばたばたと跫音(あしおと)聞えて...
泉鏡花 「婦系図」
...やや跫音(あしおと)のするまで歩行(ある)いた...
泉鏡花 「婦系図」
...跫音はそのまま遠ざかるらしかった...
梅崎春生 「日の果て」
...こちらの方へ跫音(あしあと)を忍ばせて来る様子であった...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...それは人の跫音のような跫音であった...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...馬の跫音がして二人の女郎(むすめ)が駿馬に乗って駈けてきた...
田中貢太郎 「西湖主」
...床に跫音(あしおと)がした...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...跫音(あしおと)を窃取(せっしゅ)して上って来たのが...
谷譲次 「踊る地平線」
...その跫音が聞えなくなるまで耳をそばだてゝゐたが...
牧野信一 「岬の春霞」
...そうすると、私は私で、部屋や自然や人間のボリュームのある声、体、跫音、そんなものが鮮やかに、心と物、物と心の世界として見えてくるような小説が書きたくてたまらない気になって来る、それも面白い心持です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「――耳だ、この耳、これも心耳としてつかえば、居ながらに、天下のうごきを聴き、兵の跫音、弾(たま)のうなり一つでも、よく三軍の配備を知ることはできる...
吉川英治 「大谷刑部」
...跫音ひそかに立ち去った...
吉川英治 「三国志」
...――その前もぴたぴたと人間の跫音(あしおと)のような気配がしたと思って...
吉川英治 「新書太閤記」
...その跫音を追いまわしていた一僧は...
吉川英治 「新書太閤記」
...床下へ洩れてくる人声や跫音(あしおと)は男のものであって...
吉川英治 「親鸞」
...人の跫音(あしおと)がとまった...
吉川英治 「親鸞」
...雪明りのまま夜の跫音(あしおと)がしんしんと迫った...
吉川英治 「松のや露八」
...床をぱたぱたと踏んでゆくような跫音(あしおと)がきこえた...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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