...物優しい跫音(あしおと)が梯子段(はしごだん)に聞えた...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...ぼんやり思(おもい)に沈んでいたお千代はやがて梯子段(はしごだん)を上って来る人の跫音(あしおと)と女中の声とを聞きつけ...
永井荷風 「ひかげの花」
...彼らの不吉なるコンクラーヴェを乱す跫音といえば私のそればかりだからだ...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...跫音を消して歩くためには吐息さへも遠慮しなければなるまい――村瀬は必要の五倍もおどおどとして...
牧野信一 「女に臆病な男」
...跫音は部屋の前で止って...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...――慌ただしい率八の跫音(あしおと)が...
吉川英治 「江戸三国志」
...貝殻が人の跫音に貝のフタをしているように...
吉川英治 「三国志」
...人の跫音が近づいて来るらしいので...
吉川英治 「私本太平記」
...跫音(あしおと)を耳にとめたか...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あわただしい跫音が...
吉川英治 「新書太閤記」
...おそろしく迅い跫音はもう闇のうちへ遠くかくれていた...
吉川英治 「親鸞」
...その跫音(あしおと)と三人の影を吸ってしまった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...自分を追うものの跫音が...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...跫音に、「や、小次郎殿か」四方に潜(ひそ)んでいた吉岡勢は、まったく痺(しび)れの切れたような顔をして、彼の周囲をすぐ真っ黒に取り囲んだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...小さな跫音がバタバタと庫裡(くり)の方へ逃げて行ったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...辷(すべ)るような跫音(あしおと)が廊下づたいに近づいてきたかと思うと...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...不意に訪れた跫音だった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...跫音がしたと思うと...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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