...とても足りない金額であった...
太宰治 「十五年間」
...葉子の充(み)ち足りない気分がまたしても険しくなって来た...
徳田秋声 「仮装人物」
...原理的に云えば少しも異とするに足りない当然なことである...
戸坂潤 「最近日本の科学論」
...批評の科学性の要求を充すに足りないということだった...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...けれど足りないかも知れませぬ...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...それは問題とするに足りない...
豊島与志雄 「文学以前」
...けれどもその物が足りない...
永井隆 「この子を残して」
...これは足りないはずだ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...庖丁(ほうちょう)が足りないので...
夏目漱石 「門」
...まだ呑み足りない顏をして居ましたから」「そんな事で宜からう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...味が薄く食い足りないと言うのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...西洋流の形式韻律がない――有っても見るに足りないほど素朴である――けれども...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...人の倍以上に達してなお足りない有様でした...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...如何に形容しても足りない位汗をかく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それをしないのは要するに女給の自覚が足りないからだ...
細井和喜蔵 「女給」
...労働の価格が大家庭を維持するに足りないことや...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...こみあげて来る感情を押えるに力の足りない様に膝をムズムズ動かしたり下を向いて後れ毛を丁寧に耳のわきに掻き上げたりした...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...もしくは娘の親たちの好意を思うことで足りないことを補うとか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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