...足りないながらせめては家に居て...
有島武郎 「お末の死」
...それでもまだ荒れかたが足りないといいたそうにしていました...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「旅なかま」
...高座は二個所すましてまいりましたが――」これでは自分の返事が足りないようにも思えたので...
岩野泡鳴 「猫八」
...迷(まよ)はしの足りないほかの花よりも...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...此(この)金の足りない中で...
内田魯庵 「青年実業家」
...竹や木だと重味が足りないので...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...しかも周囲の丘から流れ入る水の量はいうに足りないものであるから...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...足りないだけそれだけうまい...
種田山頭火 「其中日記」
...あいつらの首を刎(は)ねるくらいじゃ足りないぞ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...茲でもこれだけの引用では足りないが...
豊島与志雄 「作家的思想」
...索然(さくぜん)として物足りない...
夏目漱石 「草枕」
...転地療養の歴史を方寸のうちに畳み込んでいたって毫(ごう)も驚くに足りない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...八枚足りない分は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まだ呑み足りない顏をして居ましたから」「そんな事で宜からう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一生取るにも足りない毀誉褒貶(きよほうへん)の的となってのみ過るのは...
宮本百合子 「印象」
...夜の明けるまで語っても語り足りないというふうであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...万三郎にはまだ聞き足りないことがいろいろあった...
山本周五郎 「風流太平記」
...貴方(あなた)がたのお調べが足りないからです...
夢野久作 「巡査辞職」
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