...一人、骨組の厳丈(がっちり)した、赤ら顔で、疎髯(まだらひげ)のあるのは、張肱(はりひじ)に竹の如意(にょい)を提(ひっさ)げ、一人、目の窪んだ、鼻の低い頤(あご)の尖(とが)ったのが、紐に通して、牙彫(げぼり)の白髑髏(しゃれこうべ)を胸から斜(ななめ)に取って、腰に附けた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ここにある水白粉は赤ら顔に適当な緑色のものです...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...テラテラとした赤ら顔の...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...あぶらぎつた赤ら顔の男ですが...
鈴木三重吉 「青い顔かけの勇士」
...鼻の端に雄の七面鳥のえらのような瘤をぶらぶら下げた赤ら顔の紳士が云った...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...大きな赤ら顔、つき出た眉(まゆ)、くぼんだ小さな眼、小鼻がふくれ先が太い短い鼻、重々しい頤(あご)、むっつりした口、そういう醜く賤(いや)しい面貌は、彼自身にとっては他人である...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鼻と口との目立って大きな赤ら顔は油ぎって...
永井荷風 「ひかげの花」
...ビールで肥った赤ら顔の工場主とは大違いだ...
西村陽吉 「夕がたの人々」
...これは彼が赤ら顔だからでしょ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...赤ら顔をつきだした...
火野葦平 「花と龍」
...体のがっしりした赤ら顔の農夫がイングランド銀行紙幣を八百ポンドすられたと大声を上げた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「バブル崩壊」
...ご覧のように眠ってしまいました」赤ら顔の警官がへーっとうなった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...赤ら顔した柳枝が睨んだ...
正岡容 「圓朝花火」
...聞き終わるとあの髪の毛の薄い口の大きな仁王様のような赤ら顔を崩してゲラゲラ笑い出した...
正岡容 「寄席行燈」
...赤ら顔で縮れっ毛で団子鼻(だんごッぱな)のどんぐり眼(まなこ)と来ていますから何ぼ何でも東京へ連れて来て僕のワイフですと人中(ひとなか)へ出せません...
村井弦斎 「食道楽」
...赤ら顔に縮れっ毛(げ)...
村井弦斎 「食道楽」
...あまり赤ら顔の方ではないからかもしれないけど...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...なぜなら、そういう嘲罵を背に聞く時は、やはり誰もと同じように、彼の赤ら顔が、なおいくぶんか充血する...
吉川英治 「新書太閤記」
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