...妙に赤々と煤(すす)けた光を狭い部屋の中に漲(みなぎ)らせた...
芥川龍之介 「南京の基督」
...就中(なかんずく)薄い水苔のついた小林平八郎の墓の前に曼珠沙華の赤々と咲いていた景色は明治時代の本所以外に見ることの出来ないものだったかも知れない...
芥川龍之介 「本所両国」
...折柄の夕陽(せきよう)は横斜(よこはす)に小虎の半身を赤々と照らした...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...ただ赤々と一色の感じに見える...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...庸三は赤々と石炭の燃えているサルンへと出て行った...
徳田秋声 「仮装人物」
...火が赤々と燃える暖炉のそばに一緒に座りました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...赤々と雨戸に落ちる陽ざしはもう昼近いでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兄妹二人の顔が赤々と浮出します...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...河豚汁(ふぐじる)の宿赤々と灯(とも)しけりと...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...赤々と海をてらしていた火は...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...焼け落ちた建物はまだ赤々とくすぶり...
山本周五郎 「風流太平記」
...赤々と松明(たいまつ)のいぶりが無数の墨を吹いている...
吉川英治 「私本太平記」
...町の豆腐屋や織物屋の軒に赤々とさしこんでいる...
吉川英治 「新書太閤記」
...備中平(びっちゅうだいら)にはきょうも赤々と陽が落ちかけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...その影を赤々と隈(くま)どった...
吉川英治 「新書太閤記」
...城内は赤々と凱歌(がいか)にかがやく篝火(かがり)の晩を迎え...
吉川英治 「新・水滸伝」
...するとさっきから焚火(たきび)の光が赤々とうごいていた御堂裏(みどううら)のほうから大きな男がのそのそ歩いて来た...
吉川英治 「平の将門」
...火が赤々と燃えて居る...
若山牧水 「姉妹」
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