...彼女がわたくしに与えてくれた愛情がますます貴重なものに思われて来るのでした...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...尤も書肆であるから学術上の貴重なる書目を尽く揃えていたわけでは無いが...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...或は安逸以て貴重なる生命を消費し...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...それに含まれた貴重なビタミンとともに...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...不安の圧迫がとれて貴重な静穏に移る瞬間である...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...この意味でこの書は一部の貴重なる経典である...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...現に今後の歴史資料としては何よりも新聞や雑誌が一等貴重なものだろうし(尤も今日の西洋紙が一体何百年後まで形を保存出来るかどうかも考えて見なくてはならないが)...
戸坂潤 「思想としての文学」
...貴重な時間を浪費するのかと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...高木文氏の貴重な研究を世に出すのを主眼とし...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...なほ民族過去の光栄を表現すべき貴重なる宝物(ほうもつ)として尊敬せらるるは...
永井荷風 「江戸芸術論」
...こっちにとってそれほど貴重な経験を...
中里介山 「大菩薩峠」
...どことなく穢((けが))らはしい貴重な品の数々も貞純にして水色の少女の夢を破るのであつた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...――その貴重な余地を腐蝕(ふしょく)させられたような心持になります」K君はまだ私の云う事を肯(うけが)わない様子であった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...このベッドはよく眠れる人にはほんとうに貴重なものであったにちがいないんですが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...これがためすでに内約の整いし教師を雇い入るるを得ず、去年十二月下旬、本人は去りて米国へ帰り、太田君の素志も一時の水の泡となり、数百の生徒も望みを失い、実に一私塾の不幸のみならず、天下文学のためにも大なる妨げにて、馬鹿らしく苦々しきことなれども、国法の貴重なる、これを如何(いかん)ともすべからず、いずれ近日また重ねて出願のつもりなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...この二大発見は法律史上に最も貴重なる材料を与え...
穂積陳重 「法窓夜話」
...この際としては特に貴重な発見でなければならなかった...
夢野久作 「暗黒公使」
...貴族の館のような品位であたりが貴重な彫刻を見るようだ...
横光利一 「夜の靴」
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