...御忌(ぎよき)の鐘皿割る罪や暁(あけ)の雲つま猫の胸の火や行(ゆ)く潦(にはたづみ)夜桜に怪しやひとり須磨(すま)の蜑(あま)蚊柱(かばしら)の礎(いしずゑ)となる捨子(すてこ)かな人魂(ひとだま)は消えて梢(こずゑ)の燈籠(とうろ)かなあさましや虫鳴く中に尼ひとり火の影や人にて凄き網代守(あじろもり)句の佳否(かひ)に関(かかは)らず...
芥川龍之介 「点心」
...そのかたわらの鉄網(かなあみ)張りの小屋の中に古色を帯びた幾面かのうつくしい青銅の鏡が...
芥川龍之介 「松江印象記」
...強いあしとで網を織りました...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「野のはくちょう」
...予ノ室ノ入口ノ扉(ドア)ニ小サキ窓アリテ金網(カナアミ)ヲ張ル...
海野十三 「壊れたバリコン」
...網にかかった魚のように...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...月夜は蟹が網(あみ)にかかっても逃がしてやるんじゃないか...
壺井栄 「二十四の瞳」
...第一に漁具ことに網の研究である...
寺田寅彦 「物理学の応用について」
...販売網のことと製品技術のこととが表面の問題となってるのです...
豊島与志雄 「白い朝」
...彼らはえいえいと鉄条網を切り開いた急坂(きゅうはん)を登りつめた揚句(あげく)...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...あたかも道路の予定線の網のみが系統的に整備しておって...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...あの鯛はきつと恋しいと思つた人の網につひはいり損じ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...網で取り巻かれた魚が泳ぎ逃げまわるかのような様子...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...非道の蜘蛛の網ざしき...
宮沢賢治 「蜘蛛となめくじと狸」
...京都府与謝(よさ)郡栗田湾や島蔭湾で深海の泥砂の中にすむアカエビやミミイカがイワシ大敷網や手繰網でおびただしくとれたと言う(奥丹後震災誌)...
武者金吉 「地震なまず」
...冬枯の蔓(つる)のように絡まり合った鉄条網の針の中を...
横光利一 「上海」
...そこのすすけた壁には、漁具、網、法螺の貝、錨(いかり)、等のふつう目なれた物以外に、銛(もり)や鉄砲――海の武器とも呼ぶべきものまでが、雑然と掛けならべてありました...
吉川英治 「江戸三国志」
...そして櫓(ろ)やら網やら雑器などが鼠の巣みたいなワラの中に...
吉川英治 「私本太平記」
...網代牛車(あじろぐるま)を打たせて...
吉川英治 「親鸞」
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