...さつき買つて來た伏見の豆人形を机の上に行列させて樂しんでゐたが...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...豆人形の着るような小さい小学生の小倉の上着がかかっている...
梅崎春生 「風宴」
...叡山の大に比べると自分は今豆人形の樣に小さいと思ふと...
高濱虚子 「俳諧師」
...さうして京都の方を振返ると高等中學も其生徒も渥美の主人公も鶴子さんも小さい/\豆人形のやうなものになつた如く覺える...
高濱虚子 「俳諧師」
...手を振って魚容たちを歓迎している様が豆人形のように小さく見えた...
太宰治 「竹青」
...隣村では豆人形の寄せ太皷(ママ)が鳴る...
長塚節 「十日間」
...伊勢勘で豆人形と猫を買った...
林芙美子 「貸家探し」
...まつたく箱庭の泥で拵へた豆人形になつてゐた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...「あら、うちの人はあんな処で――」と細君が指さした方を樽野が、真実まぶしい陽をすかして眺めると、他には一点の人影も見えないからそれが彼女の良人に相違ない、豆人形程の滝が、砂地を縦横無尽に駆け廻つてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...一寸ばかりの豆人形で先供の鎗(やり)持から殿様のおかご...
山本笑月 「明治世相百話」
...……高雅な卓上電燈、写真立て、豆人形、一輪挿し、灰落しなぞをキチンと並べてある……...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...まるで豆人形(まめにんぎょう)でもフリまいたように...
吉川英治 「神州天馬侠」
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