...この早瀬さんと一議論して...
泉鏡花 「婦系図」
...吾輩も一議なく石川君に同情して其歌を一種の創作と認むるに躊躇しないのである...
伊藤左千夫 「『悲しき玩具』を読む」
...彼にすれば第一議会に山県が小心で行えなかったところを今度みずから遂行したにすぎない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...皮肉な一議員は議長を呼んだ...
薄田泣菫 「茶話」
...二人は一議にも及ばず...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの女は一議に及ばずここへやって来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...一議に及ばず馳(は)せ参じました...
中里介山 「大菩薩峠」
...友さんや」「おーい」一議に及ばず...
中里介山 「大菩薩峠」
...一議におよばず返事をして...
中里介山 「大菩薩峠」
...その音を聞くと勇みをなして、兵馬は玄関から正当に案内を申し入れ、型のごとく出て来た取次の用人に向って、自分が武者修行の旅行中のもので、御英名を慕いて推参したということ、兼ねて「英名録」や、その他旗本の要路の紹介免許状等が口をきいて、一議もなく、快き諒解(りょうかい)の下に、「暫くお控え下さい」次の案内を、兵馬が玄関先で暫く控えて待っている間、この代官屋敷の奥の一方で、しきりに三味線の音と陽気な唄の声が立上(たちのぼ)るのを聞き、兵馬は一種異様の感を起さないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...「金剛語菩薩(こんごうごぼさつ)即ち無言語菩薩(むごんごぼさつ)、声明の奥義を極めんとならば、まず声なきの声を聞くべし、幸いにこの律呂(りつりょ)の川の上に音なしの滝がある、音なしの滝に籠(こも)って、無音底の音を聞く気はないか」かように申されました時、弁信は、一議に及ばず、これこそ望むところとあって、直ちに翌日の明星をいただいて坊を出で、音なしの滝に詣(まい)りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...奉公人たちにそっと訊くと、庄司家の若様林太郎が行方(ゆくえ)知れずになった時は、主人平馬もお嬢さんのお礼も、さすがに驚いた様子でしたが、親類たちの口入れと、庄司右京の望みで、養子助十郎へそのままお礼を嫁にと懇望(こんもう)されると、一議に及ばず、渡りに舟で応じ、それっきり林太郎のことは忘れてしまって、行方を捜す様子もないことが判りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一議したがって出ずれば一説したがってこれを駁し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...一議に及ばず承引(うけひ)きつ...
夢野久作 「白くれない」
...百万円の全部をあなたに捧げても構いませんから……」名探偵は一議に及ばず引き受けた...
夢野久作 「夫人探索」
...曹操は実(げ)にもとうなずき、「さきごろも、汝が言を用いずして、今これを後悔している」と称し、一議もなく、即時四十万の大軍を起し、七月都を発って、九月には長安に入った...
吉川英治 「三国志」
...一議なく官軍側に拠(よ)った在京中の諸国の武門で...
吉川英治 「私本太平記」
...彼は、一議なく、朝廷のおん大事として、初志のままな忠節を、あらためて一族たちと誓い合った...
吉川英治 「私本太平記」
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