...諸式は騰(あが)り...
石川啄木 「赤痢」
...生業は奪はれ、税金は高くなり、諸式は騰り、増えるのは子供許り...
石川啄木 「赤痢」
...それは奈何に諸式の高い所にしても...
石川啄木 「天鵞絨」
...なおその他のいわゆる「諸式」だって少しは軽減されるであろうし...
犬田卯 「沼畔小話集」
...「諸式がそれだけ上つたのでせうか」と首を傾けた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「世間の諸式が悪いというに...
直木三十五 「南国太平記」
...森林美も大したものだが、これを金に踏んだら素敵なものだろう」「富にしても、容易ならぬ富でございます」「尾州の奴、うまくやってやがらあ……」と道庵は、あぶなく口が辷(すべ)って、それを取返すもののように、「尾州様も大したものをお持ちなさいますねえ、お金にしたら大したものでござんしょう、木曾は尾州様のお金倉だ」イヤに改まったものですから、僧形(そうぎょう)の同職も高らかに笑い、「全く、その通りでございます、木曾は尾州家の無尽蔵(むじんぐら)でございましょう、それにつきまして、こんな話がございます」僧形の同職もまた改まったから、道庵も少し改まって、「どんな話?」「左様でございます、天保の水野越前守様の御改革の時でございました」「なるほど」「あの時分、大公儀もずいぶん、経済には難渋しておいでになりましたからな」「今だってそうだよ、今だってふところ工合(ぐあい)はよく無(ね)えんだよ、何しろ八百万石の台所で、時代を経るに従って、子孫が贅沢(ぜいたく)は覚える、諸式は高くなる、江戸の親玉もやりきれねえのさ...
中里介山 「大菩薩峠」
...彦島の諸式商「なんでも屋」の親爺...
火野葦平 「花と龍」
...見とって、はがいいわ」「フフフ……」「なんでも屋」は、マンの顔を、じろじろと見て、妙な笑いかたをし、「そりばって、マンさんが嫁女(よめじょ)になったら、はげしいメンピンになるとじゃろうもん……?」「あたし、亭主が理不尽なことせんかぎり、おとなしい、ええおかみさんになるつもりよ」「そういえば」と、諸式屋は、なにか思いついたように、「マンさんは、玉井さんと夫婦になるそうじゃねえ?」「誰が、そんなこと、いうの?」「玉井さんが、話しよったばい」「馬鹿にしとるわ...
火野葦平 「花と龍」
...ごたごたと品のならんでいる諸式商の軒先に入った...
火野葦平 「花と龍」
...彦太郎は角の諸式屋に来て...
火野葦平 「糞尿譚」
...彦太郎が角の諸式屋に来て...
火野葦平 「糞尿譚」
...角の諸式屋の自転車を借りて山に上り...
火野葦平 「糞尿譚」
...諸式が高くなってお寺の経済の苦しい事...
水上滝太郎 「果樹」
...『延喜』の諸式を見ても盆または※等の文字に...
柳田國男 「和州地名談」
...江戸は諸式が高いから...
山本周五郎 「花も刀も」
...破壊だけで、生産、建設面はまだ何一つ行われていず、天皇の還都いらいは、朝威をかざるに急で、諸式万端、華美と見栄に走って、さいげんもない加速度な支出をぜひなくして来ている...
吉川英治 「私本太平記」
...夕刻の諸式を相談している藩士たちの席に列していると...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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