...他人が眞相を誤解することを――若しくは不利益なる眞相を看破することを恐れるからである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...しかし世人が往々誤解するように横隊戦術に比し戦場に於て必ずしも徹底的に優越なものでなかったし(一八一五年ワーテルローでナポレオンはウエリントンの横隊戦術に敗れた)...
石原莞爾 「戦争史大観」
...余世の誤解する所となり攻撃四方に起る時友人あり独り立(たっ)て余を弁ずる時これ神の教会ならずや...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...誤解する彼等もよくはあるまい...
種田山頭火 「其中日記」
...ただアプリオリ主義の精神を誤解することによってしか行なわれるものではない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...本当に政府が信じ込んでいるように世間は誤解するかも知れない...
戸坂潤 「社会時評」
...然れども是れ恐らくは侯を誤解するものならむ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...恐らくは閣下の心事を誤解するものゝ臆測ならむ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...政府の頤使を奉ずるを以て皇室に忠義を尽す所以なりと誤解する議員もありき其最も醜陋なるものに至ては...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...聖人の立言である經と後世の學者文人の書いた史と同じ位に置いたやうに誤解することがある...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...その時漱石は花袋君及びその他の諸君の高説に御答弁ができかねるほど感服したなと誤解する疎忽(そこつ)ものがあると困る...
夏目漱石 「田山花袋君に答う」
...世間的という意味をまた誤解するといけないから...
夏目漱石 「明暗」
...わざと誤解するはずはない...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...人の誤解する所またこの一字にあるなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...余が特に悪句を示したる者と誤解する莫(なか)れ...
正岡子規 「古池の句の弁」
...制度の如き存在の位置にあるものを史料の意味に誤解することとなつたのでもあらう...
三木清 「歴史哲學」
...誤解するようになったのである...
柳田国男 「海上の道」
...「しかし殿……すでに鎌倉の右府(うふ)もおかくれ遊ばした今日、今さら事新しゅう、亡き将軍家のおことばを取り立てて……」「いうて悪いか」「怖れながら、潔白な御心事を、天下の俗衆が、誤解することを、玄蕃は怖れまする」「いうな、わしは、まだ頼朝が在世のうちから、このことは申していたのだ...
吉川英治 「親鸞」
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