...その後ながいあいだの火消したちの語り草であった...
太宰治 「ロマネスク」
...語り草――いやあーっ...
直木三十五 「南国太平記」
...山田春塘の著『日本橋浮名歌妓』は明治十六年六月檜物町(ひものちょう)の芸妓叶家歌吉といへるもの中橋の唐物商(とうぶつしょう)吉田屋の養子安兵衛なるものと短刀にて情死せし顛末(てんまつ)を小説体に書きつづりしものにしてこの情死は明治十三年九月新吉原品川楼の娼妓盛糸と内務省の小吏(しょうり)谷豊栄が情死と相前後して久しく世の語り草とはなれるなり...
永井荷風 「桑中喜語」
...ここの渡しをいそぎ橋場の岸近くなる時真崎稲荷(まっさきいなり)の森かげをぬひて廓(くるわ)の灯を望み見たりし情景も明治四十一年の頃には既に過ぎし世の語り草なりけり...
永井荷風 「桑中喜語」
...綾之助貞淑の床しい語り草とも残された...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...すなわちただこの時代にあってこういう語り草がもてはやされたことを...
柳田国男 「木綿以前の事」
...今も行われている語り草の一つに...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...時代の波は乗っ切れず三十年代を限りとして追い追い昔の語り草...
山本笑月 「明治世相百話」
...今でも東京のカフェーゴロの間に語り草になっている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...かようなことが華やかに世間の語り草となっては...
吉川英治 「江戸三国志」
...後に、語り草として、世の人はみなこういった...
吉川英治 「三国志」
...いまもよく人々が語り草にいう北畠顕家をちと鑑(かがみ)ともしたがいい...
吉川英治 「私本太平記」
...以前の貧苦を語り草に...
吉川英治 「新書太閤記」
...後々までの語り草だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...まだ語り草となっているほど...
吉川英治 「新書太閤記」
...後々までの語り草になされる...
吉川英治 「新書太閤記」
...語り草になったことであろうが――純友...
吉川英治 「平の将門」
...隠れもない語り草さ」と青もめんで表を張った毛皮外套の男が応じた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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