...が、詰り私は、身体は一時間も暇が無い程急がしいが、為る事成す事思ふ壺に篏つて、鏡の様に凪いだ海を十日も二十日も航海する様なので、何日しか精神(こころ)が此無聊(ぶれう)に倦んで来たのだ...
石川啄木 「菊池君」
...君の樣に痛快な事は自分一人ぢや出來んので詰り潔く身を退く位のものだがね...
石川啄木 「漂泊」
...詰り痛い目に会わされると喜ぶ様な性質(たち)なんでさ...
海野十三 「白蛇の死」
...その外の事はみんな詰りません...
薄田泣菫 「茶話」
...その男は気詰りそうな身振りで「そうです...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...大和風爐――詰り長火鉢の傍でいつも弦斎ものを読んでゐた...
徳田秋聲 「佗しい放浪の旅」
...元来末期資本主義の行き詰り...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...詰りはつきり分らないのであります...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...言句に詰りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...向うが見えない山気(やまき)でやらかす王政復古も天下の諸侯に綸旨(りんじ)のなンのと勿体ないぞえ神にひとしき尊いお方の勅書を名にして言いたい三昧(ざんまい)我が田へ水引く阿曲(あきょく)の小人トドの詰りは首がないぞえそれに諂(へつら)う末社の奴原(やつばら)得手(えて)に帆揚げる四藩の奸物(かんぶつ)隅の方からソロソロ這(は)い出し濡手で粟取るあわてた根性眉に八の字...
中里介山 「大菩薩峠」
...相対論的量子力学は行き詰りの形にあるということを...
中谷宇吉郎 「救われた稀本」
...そうしてその行き詰りには...
夏目漱石 「道草」
...それっきりでございました」新三郎もハタと行詰りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...旦那の部屋に灯(あかり)の点いているのを見ただけです」「話声は聞かなかったか」「否(いえ)」平次の問もそこで行詰りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...トヾの詰り遣傷(やりそこ)なっても自身独立の主義に妨げのない限りは颯々(さっさつ)と遣(や)ります...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...詰り藩の財政がたちなおったので...
山本周五郎 「落ち梅記」
...高雄は激しい怒りのために息が詰りそうだった...
山本周五郎 「つばくろ」
...谷のどん詰りにばかげたほど大きな...
山本周五郎 「風流太平記」
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