...それでも當人を詰りますと「良秀の描(か)いた神佛がその良秀に冥罰を當てられるとは...
芥川龍之介 「地獄變」
...この夜逃も詰りは其爲めである...
石川啄木 「雲は天才である」
...それは詰り、平生私の遊び仲間であつた一歳二歳年長の子供等が、五人も七人も一度に學校に上つて了つて、淋しくて/\耐(たま)らぬ所から、毎日の樣に好人物の父に強請(ねだ)つた爲なので、初めの間こそお前はまだ餘り小さいからと禁(と)めてゐたが根が惡い事ぢや無し、父も内心には喜んだと見えて、到頭或日學校の高島先生に願つて呉れて、翌日からは私も、二枚折の紙石盤やら硯やら石筆やらを買つて貰つて、諸友(みんな)と一緒に學校に行く事になつた...
石川啄木 「二筋の血」
...と詰りて頬脹(ふく)らし...
泉鏡花 「活人形」
...そしてどん詰りには...
岩野泡鳴 「猫八」
...詰りこれは海水を汲み揚げて...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...というのは、詰り、和辻的方法を生長させるに持って来いのいい対手を持ち合わせたからである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...恐らくそれ自身もやがて或る行き詰りに当面するであろうことを予想させる...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...詰り仇首も仇道も同じ音であつたので...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...詰り斯う云ふ人等の本...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...詰り唐の時には詩でもつて文官試驗を致しました...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...詰り機と云ふのは弩の機の外れる状のことであります...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
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野口雨情 「雨情民謡百篇」
...詰りきった表情をし...
久生十蘭 「あなたも私も」
...Oにしてみれば気詰りだらうと...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...――詰り、実際上の出来事と作品とを結びつけて読まれるのは、読む人に作品の理解がない限り、厭なことだ...
宮本百合子 「感情の動き」
...「ふてえ野郎だ、狸ねえりなんぞしやあがって、それとも何か計略でも考げえてやがるのか、へっ、こっちあな、表に三十人から待ってるんだぞ、ぴいとひとつ呼笛(よびこ)を吹きあよ、へっ、命知らずの野郎どもがだんびら物をひからしてとびこんで来るんだ、じたばたすると命あねえぞ」「――面白いな、ひとつそれを吹いてみろ」「なにょう、な、なんだと野郎」「――その呼笛を吹いてみろと云うんだ」含み笑いをしながら成信がそう云うと、男はうっと詰り、それから出刃庖丁をゆらゆらさせ、精いっぱい凄(すご)んで喚きたてた...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...もう後ろは廊下のどん詰り...
吉川英治 「剣難女難」
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