...詮方なく宿に帰った...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...大事に育てる茄子の一本が枯れた、根切病、詮方なし...
種田山頭火 「其中日記」
...だから詮方なしに焼酎といふことになる...
種田山頭火 「其中日記」
...絶食もよからう(よくなくても詮方ない)...
種田山頭火 「其中日記」
...毎日の冬ごもりには困るけれど詮方ない...
種田山頭火 「其中日記」
...今夜は不眠で苦しんだ、詮方なく読書...
種田山頭火 「道中記」
...詮方(せんかた)なしに「おあぶのう御在いますから...
永井荷風 「深川の唄」
...詮方(せんかた)なく老爺は再びもとの座に戻って火縄にかかろうとすると...
中里介山 「大菩薩峠」
...詮方なく、米友がまたこちらへ立返って、そうして、「先生!」「ムニャ――」今度は一言でまた寝返りを打って、あちらを向いてしまいましたから、米友が勃然(ぼつぜん)として怒りをなしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...つまり身体(からだ)が健康な証拠だね」竜之助も詮方なしに...
中里介山 「大菩薩峠」
...売っても値にならないために詮方なく鼠のかじるのにまかせっぱなしのわずかばかりのおれの蔵書を...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...我れは詮方なけれどお名前に申わけなしなどゝ...
樋口一葉 「大つごもり」
...詮方(せんかた)なさに一ト足(あし)二タ足(あし)ゑゝ何(なん)ぞいの未練(みれん)くさい...
樋口一葉 「たけくらべ」
...如何とも詮方なく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...詮方(せんかた)なしの裏長屋...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...智馬が自分方におらぬとさっぱり自分の威がなくなるから詮方(せんかた)なく...
南方熊楠 「十二支考」
...客詮方(せんかた)なく猴を与え...
南方熊楠 「十二支考」
...詮方(せんかた)なく一同が帰ってゆくと...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索