...朝夕仏壇の前で誦(あ)げた修証義(しうしようぎ)が...
石川啄木 「赤痢」
...身心はすぐれないけれど、むりに八時出立する、行乞するつもりだけれど、発熱して悪感がおこつて、とてもそれどころぢやないので、やうやく路傍に小さい堂宇を見け(マヽ)て、そこの狭い板敷に寝てゐると、近傍の子供が四五人やつて(マヽ)声をかける、見ると地面に茣蓙を敷いて、それに横は(マヽ)りなさいといふ、ありがたいことだ、私は熱に燃え悪感に慄へる身体をその上に横たへた、うつら/\して夢ともなく現ともなく二時間ばかり寝てゐるうちに、どうやら足元もひよろつかず声も出さうなので、二時間だけ行乞、しかも最後の家で、とても我慢強い老婆にぶつかつて、修証義と、観音経を読誦したが、読誦してゐるうちに、だん/\身心が快くなつた...
種田山頭火 「行乞記」
...私は修証義を読みつゝ行乞してゐた...
種田山頭火 「行乞記」
...分け入つても分け入つても青い山しとどに濡れてこれは道しるべの石炎天をいただいて乞ひ歩く放哉居士の作に和して鴉啼いてわたしも一人生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり(修証義)生死の中の雪ふりしきる木の葉散る歩きつめる昭和二年三年...
種田山頭火 「草木塔」
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