...予は馬車中子爵の胃痛を訴ふるや...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...三 詩人は常に自己の衷心を何人かに向つて訴ふるものなり...
芥川龍之介 「小説作法十則」
...唯当時卒業者の数少く而して新設せらるゝ学校の数多かりしを以て現今の如く就職難を訴ふることなかりしと雖も其の前途に於ける活動分野の狭隘なりしことは余が常に憂慮したる所にして余は機会あらば自から応用方面に於て成績を挙げ純正化学者が工業上より見て無用の長物に非ざることを例示せんと窃に企図し居たり...
池田菊苗 「「味の素」発明の動機」
...余之を見て思へらく眼を悦ばす美麗なる色素や嗅覚を楽ましむる馥郁たる香料は化学工業によりて数多く製造されつゝあれども味覚に訴ふる製品はサッカリンの如き恠し気なる甘味料を除きては殆んど稀なり...
池田菊苗 「「味の素」発明の動機」
...質問せしに松田藏相は何れの國と雖ども開戰準備金を設くるものならず只萬一の際は國民愛國心に訴ふる外なしと遣込め...
石川啄木 「雲間寸觀」
...賢相の名ある久世大和守に訴ふべし...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...貧者の貧を訴ふるのは...
田山録弥 「谷合の碧い空」
...アキリュウス悲憤のあまり神母テチスに訴ふ(十日)...
土井晩翠 「「イーリアス」例言」
...II 371 等に以上三神に訴ふる句あり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...雨声に至りては怒るに非(あら)ず嘆くに非ず唯語るのみ訴ふるのみ...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...若し一部の若い日本人の心に何か知ら訴ふる處があるとするならば...
永井荷風 「新歸朝者日記 拾遺」
...うぐひすは春の行く時遣瀬なき思ひをわれに告げ秋雨さむき夜となれば声をかぎりに(こほろぎ)はいまはの苦しみをわれに訴ふ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...一言でも自分の身の上を訴ふることはなかつた...
長塚節 「開業醫」
...勲功も訴ふるに処なくして...
蜷川新 「天皇」
...今の國交際に於て訴ふる所は腕力の外はない...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
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逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...ひとり自然成長的であると信ぜられるところの總同盟罷工に訴ふべきであるとする...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...今日私達の常識に叙情詩として訴ふるところは...
三好達治 「万葉集の恋歌に就て」
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